【らめぇぇぇ】ゾンビの妹とか欲しくね?【汁出ちゃうぅぅぅ】 

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 15:55:30.80 ID:SetiCUE00
前スレからひっこぬいてきた。 
物語の始まりの名レス。 

344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:19:33.13 ID:RzqP7gEs0 
―いつもと同じ事が、いつもとちょっとだけ違う。 
・・・ただそれだけの事なんだ― 

妹が交通事故で死んだ。まだ十三歳だったのに。 
俺は妹が大好きだったから、その事を知った瞬間、本当に世界が灰色に見えた。 
轢いた奴を殺そうとも思ったが、それで妹が帰って来る訳じゃないと思うと実行する気になれなかった。 
頭も体も完全に「止まって」しまっていた。 
何もかも嫌になっていた。嫌だと思う事すら嫌だった。 
そして、バカみたいに、あるはずのない事ばかり考えていた。 
妹が帰ってくる事を。 

そしたら・・・ 
あいつ、本当に帰って来た。いつもみたいに。 

あいつが玄関をあけて入ってきた時、親父は真っ青になって絶句して、お母さんは卒倒した。 
だってあいつったら、生きてた時のままの姿・・・じゃなくて、死後数日たってからの姿で帰ってきちゃったんだw 

頭が割れてて、眼も飛び出してたし、内臓も見えててしかも虫がわいていた。 
・・・正直、かく言う俺すら最初はどうしていいのか分からなくなったね。 
それまでとは別の意味で思考が止まってしまって、頭のどこかでこれが夢なんじゃないかなんて、ぼんやり考えてた。 
そしてとにかく時間が過ぎて、そしたらあいつ、泣き出しちゃったんだよな。 


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 15:55:48.69 ID:SetiCUE00
345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:19:52.74 ID:RzqP7gEs0 
そこまで来てやっと俺は思い出したんだ。俺がするべき事を、俺がしたかった事を。 
だから俺は妹に言ってやった。 
「おかえり、ずいぶん遅かったじゃないか。心配したんだぞ。それにしてもずいぶんユニークな格好で帰ってきたなw 
 ・・・じゃ、とりあえず一緒に風呂に入ろうか? なんだよ、変な顔して、兄妹なんだからいいじゃないか! 
 え?虫?なあに、そんな物お湯で流せば取れるに決まってる・・・てか、俺が取ってやるよ。 
 昔、お前の頭を洗ってやったみたいに、優しく取ってやるから心配しなくていいぞ、妹よ! 

 ・・・って、おいおい、ここは泣くところじゃないだろう?お前も俺の妹なら、ツンデレっぽく対応するとか、それなりに萌える反応をだな・・・」 

ここまで言ったとこで、妹はやっと笑ってくれた。 
・・・ああ、やっと取り戻せた。俺の、一番大切なもの。 

そして、その日からいつもとはちょっと違う、俺と妹のいつもの日常が始まった。 
これは、ただそれだけのことなんだ。 


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 16:17:17.26 ID:NzkUKCl80 兄「ぬ、くっ……と、届かんっ……」 妹「何してるのオニーチャン゛?」 兄「ああ、掃除してたら棚の後ろに小銭が落ちちゃってな」 妹「あ、500円だー、たいきん゛だー、たいへん゛だー」 兄「悪いけど棒みたいなもん探してきてくれないか。そしたら1割やるから」 妹「ぼう゛? あ、ちょーど持ってるよー」 兄「マジか。じゃあ早速貸してくれ」 妹「はーい」 ボギィッ! 妹「どーぞー」 兄「お前の右腕かよ……」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 16:22:26.86 ID:lYAsj13QO 俺「ときに妹よ」 妹「なに?」 俺「TSUTAYAでDVDを借りてきた」 妹「なに借りてきたの?」 俺「バイオ・ハザード」 妹「SATSUGAI」 俺「待て妹! ときに落ち着けって!!」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 16:32:04.25 ID:lYAsj13QO 俺「ときに妹よ」 妹「今度はなに?」 俺「実はもう一本借りてきた」 妹「なに借りてきたの?」 俺「パイレーツ・オブ・カリビアン」 妹「SATSUGAI」 俺「待て妹! ときに落ち着けって!!」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 16:35:16.90 ID:ZDM4/5u5O 妹「ねぇおにいちゃ〜ん!パソコンばっかいぢってないで、たまにはあそぼうよ〜」兄「ん〜」 妹「ねぇ〜ったらぁ」 兄「ちょっと待ってろって」 妹「…も〜」 兄「…」 妹「……えぃっ!」 ガブッ! 兄「っっっ!いってぇぇえぅぇ!!1」 妹「えへへ」 兄「お、お前いきなり噛みつk…」 妹「?」 兄「…」 妹「おにいちゃん?」 兄「ァー」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 16:48:21.34 ID:ZDM4/5u5O >>72 妹「さっきはびっくりしたよぉ」 兄「あのなぁ、何も首に噛みつくことないだろ?」 妹「えへへ〜ゴメンね〜」 兄「まったく、危うく俺もゾンビになるとこ…ッハ!」 妹「……」 兄「え〜と…」 妹「…おにいちゃんはゾンビきらい?」 兄「い、いや…そういうわけじゃ…」 妹「やっぱりおにいちゃんはゾンビなわたし…きらいなんでしょ?」 兄「オイ、ちょっとオレの話を…」 妹「そうだよね…わたしって、ないぞういっつもびろんびろんだし…めんたまだってちょっとはしっただけで…とびでるし…」 兄「…」 妹「でもね…おにいちゃんだけには…ヒッグ…きらわれたく…ないのぉ……」
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 16:52:04.97 ID:R1cdqz2TO ――夜。 「……今日はどこにしよっか?」 ブレザーの制服に身を包んだ女子高生が、繁華街を闊歩する。 背後には、十数人の男達。 全員が体の各所に包帯を巻き、目は虚ろで、口を半開きにさせていた。 それ以外は共通点などまるでない。 髪型、服装、年代。 全てバラバラの男達が、笛吹きに連れられた子供達の様に、彼女の後を歩く。 彼女はとあるビルの前で止まり、テナントを視線で物色する。 「5F〇〇興業……ヤクザ屋さんかな?」 唇を歪めて、男達を連れたままビル内へ進行。 階段を昇る。 昇る。 昇る 昇る。 果たして目的の部屋の前には、上下ジャージ姿の若者が二人立っていた。 「あのぉ、すみませぇん」 甘ったるい声を掛けてきた彼女に、男達は怪訝な顔を合せて、片方が答えた。 「何?」 用を聞きながらも、二人の視線は彼女から外れていた。 背後にたむろする謎の――様子がおかしな集団。 彼らに向けられていた。 彼女はそんな二人の顔を見比べて、向かって左側、白のジャージに金髪の男に顔を寄せる。 「……だから何だって訊いてんだろガキ」 表情を変えずに声だけ低くしてみせる男。 彼女はにんまりと笑って、 「こっちのかっこいいお兄さんキープ。そっち殺していいよ」 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 16:55:22.44 ID:R1cdqz2TO 言うなり、男達が二人に飛び掛かった。 白のジャージは全身を拘束され――反対側は、全身を貪られていた。 「……っ!?……っ!!」 顔面に腹に腕に脚に噛み付かれ食いちぎられながらも、口を押さえられた男は声も出せない。 絶えまない激痛に失神さえも許されず、ただ全身をブチブチと喰い破られてズルズルと内臓を引き出されて、グジュグジュと咀嚼されて。 「えいっ!」 突如、男の顔面に猛烈な衝撃が走った。 赤く染まった視界に映るのは、消火器を振り下ろす彼女の姿。 やめろと言おうにも、喉を喰い破られて空気を漏らす事しか出来ない。 「……えいっ!えいっ!えいっ!えいっ!えいっ!えいっ!えいっ!えいっ!!」 彼女が10回ほど振り下ろした消火器に頭を潰されて、漸く彼の苦痛は終わった。 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 16:58:02.57 ID:R1cdqz2TO 全身を返り血で染めながら、彼女は取り押さえられた男へゆっくりと振り向く。 「鍵は持ってる?」 男は冷や汗を床に落としながら、首を振った。 「じゃあ、中の人に『開けて』って言って」 ――――それから間もなくして、戸が開け放たれた。 男達がなだれ込み、中では地獄が巻き起こり。 室内に有った金庫の番号を知る者は、散々拷問された挙句に男達の餌となった。 「諭吉ー!会いたかったよー!」 札束に唇を這わせ、満足げに笑う彼女。 足下には、彼女によって頭を潰された死体がゴロゴロと転がっている。 いや、たった一つだけ、頭を潰されていないそれが有る。 先の白いジャージの男だ。 首には食いちぎられた跡があり、噴き出した夥しい血が周りを汚している。 「そろそろ起きるかな?……さて」 彼女は男達を見回して、考え込む様に首を捻る。 「オッサンの通帳、もう空だったよね。もういらない。アタシ達が此所から出たら、飛び降りて死ね」 男達の中から、40代と思しきスーツの男がふらふらと歩み出た。 彼女が男の一人に窓を開けさせると、オッサンは真っ直ぐそこに向かい、窓の縁に足を掛ける。 「お前も飽きたから死ね。お前はキャラ被ってるから死ね」 彼女が指をさす度に、指された男が次々と窓に足を掛けていく。 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 16:59:16.62 ID:R1cdqz2TO 「これで9人で……その人入れて10。うん、これぐらいこれぐらい」 彼女の視線の先で、ジャージの男がゆっくりと起き上がる。 「あームカツク、久々に刺されたし」 彼女が自身の胸部を見ると、いわゆるドスが心臓部を貫いている。 傷口から流れる血は異様な粘り気と黒ずみを帯びており、腐臭を放っていた。 「ん……っ」 ハンカチでそれを引き抜いて、床に放り投げる。 「お腹空いたし、少し食べてこうかな」 肉片を二、三拾い上げて口に運ぶ。 ガムを噛む様に歯応えを楽しみつつ、 「よし、騒ぎになる前に撤収!」 唇から血を垂らしながら、男達を引き連れ、彼女は颯爽と場を後にした。 それから数分後――飛び降り自殺がこのビルで立て続けに発生。 死体はいずれも、頭が完全に潰れていた。 84 :二作目 :2006/07/23(日) 17:00:58.11 ID:R1cdqz2TO ――夜明け。 重い。 人の体とは、こんなにも重い物だっただろうか。 映画やドラマでよく見られる、主人公が人――ヒロインだったり逃げ遅れた人質だったり――を、担ぐシーン。 これは実際かなりキツい。 僕が『そう』しようとしたのは、高校生くらいの男だったけれど、無理。 そもそも人体って、普通の体格でも男なら50〜70kg、女でも30後半〜50kgあるわけだし。 そんな重たい肉の塊を担ぎ上げて帰宅するのは、僕が突然!マッチョマン!にでもならない限り無理な話だ。 瞬間的に持ち上げるのは可能かもしれないけど、家までは無理。 というわけで必死こいて引き摺っていく。ずりずりと。ガリガリと。 引き摺りながら住宅街を進む。 家まで数百メートルの辺りまで来て、血の道が背後に出来ているのに気付く。 馬鹿か僕は。 こんなの見つかったら大騒ぎじゃないか。 とりあえず辺りを見回して見るが、幸い人の気配は無い。 それもそうか。そういう時間に――深夜の二時に外出したんだから。 で、幸があれば不幸もあるわけで。 この体を家まで『引き摺らないで』持って帰る手段も見つからないわけで。 どうしたもんかな。 もいちどグルリと見回してみる。 あ。 一軒家の建ち並ぶ風景の中、白い幕をはためかせる一際大きな長方形。 建設現場キタコレ。 マンションか何かの建設中なのだろうか。 来た道を逆方向に引き摺りながら、僕は一路、当該地点を目指した。 85 :二作目 :2006/07/23(日) 17:02:20.87 ID:R1cdqz2TO 「めんどい……」 思わず声が出る。 僕は現在、ビニールシートと塀で囲まれた建設現場の中、近くの民家の物置からかっぱらって来たナタで解体作業中。 毎度の事ながら、人の硬さには苛々させられる。 鉈を何度も何度も振り下ろして、やっと腕が一本落ちる。 腕が痺れてきたので休憩を挟み、作業再開。 あまり音を立てないように、体を足でしっかり踏んで押さえ、低い位置から体重を乗せて振り下ろす。 どずりっ、と感触が伝わり、傷口から骨が覗く。 この骨がまたクセモノなのだ。 継ぎ目部分を狙わないと、とてもじゃないが『静かに解体』なんて出来やしない。 いや、僕の解体技術が下手なだけかもしれないんだけど。 まだまだだなぁ……と考えながら、僕は作業を再開した。 頭と両手足を切断して適当なビニールで包んで縛り、残りの体を埋め、 『肉』を持って無事に帰宅できたのは午前四時の事だった。 86 :二作目 :2006/07/23(日) 17:05:22.84 ID:R1cdqz2TO ドアの開く音。 ベッドから身を起こし、目覚まし時計を見る。 「遅い、あいつ手間取りすぎ」 午前四時。 夏の時期は日が早く昇る。 冬場ならともかく、夏に帰宅時間がこれでは、目撃される可能性は高い。 見つかってしまえば、捕まってしまえば――全てが終わりだというのに。 眠い目を擦りながら玄関へ。 「あ、起こしちゃった?」 青いビニールと紐で纏められた『肉』を片手に、 「ただいま」 と妹は笑う。 俺は 「遅い、もう少し早く始めるかタイム短縮するかしないと、バレるぞ」 と眉間に皺を寄せて言う。 「うーん……僕もそう思うんだけどねぇ、夜中に外出るのって怖くて、なかなか出る決心つかないんだよ」 「ゾンビが夜道を怖がるな。大体なぁ、場所とターゲットを選んでもっと計画的にやれば……」 「き、着替えてくるね!」 妹は玄関に肉の包みをドサリと置き、逃げる様に部屋へ。 「全く……」 包みを見ながら、溜息。 87 :二作目 :2006/07/23(日) 17:07:27.20 ID:R1cdqz2TO ――そう、妹はゾンビなのだ。 妹は一年前、中学三年生の身空で若くしてこの夜を去った。死因は心筋梗塞。 では、生前の環境はどうかと言うと。 両親はとうに鬼籍に入っており、俺と妹は安アパートで暮らしていた。 俺はコンビニその他バイト。妹は学校に行きながら新聞配達。足りない分は保険金を崩して食う。 で、そんな生活中に妹が死亡。 ――通夜に復活。妹復活!妹復活!砂糖水飲ましたわけでもねえのに。 そこまでは良かったのだが。 「ゾンビだしなあ」 復活で有り蘇生では無い。 妹は人間では無く、人肉しか受け付けないアンデッドになってしまった。 それから先――この一年で生活は少し変化した。 妹は狩りで人肉を得る為に、帰宅直後に寝て深夜に起きる様になった。 俺はバイトを増やして免許を取って車を買い、山へ死体を埋めに行くようになった。 妹は街へ人狩りに、兄は山へ屍捨てに。 それ以外に変わりは無い。 肉さえ食ってりゃ妹の体は朽ちないので、臭いや虫の心配は無く。 外観も少し肌が白くなったくらい。なので普通に学校に通っている。 昨日は中間テストで政経がヤバかったそうだ。 塾に通わせるべきだろうか。 88 :二作目 :2006/07/23(日) 17:09:21.49 ID:R1cdqz2TO 「着替えたよー。お兄ちゃん、ご飯」 廊下でぼんやりと回想していた所へ、着替えを済ませた妹が出て来た。 「ああ、はいはい」 もう一つ変化が有る。 俺は肉料理のレパートリーが増えた。 「早めにしてね、配達あるから」 妹は相変わらず新聞配達をやっていた。 朝日を浴びながら新聞を配るゾンビ。どうなんだこれ。 食卓でワクテカしている妹を背後に、俺は調理を開始。 妹は体毛とかを気にせず食べるので、肉切り包丁で大ざっぱに切り落とす。 「最近ねえ、配達件数増やしたんだよね」 「へーえ……、あれ?前の時点で凄い量じゃなかったか?」 「それがさ、僕の体が『こう』なってから、疲れを感じづらくなったんだよね。って言っても二十件増やしただけなんだけど」 「ほうほう。便利だな。痛覚もか?」 妹はきょとんとした顔をして、 「なんでわかるの?」 と返す。 「指。指を見ろ」 妹は自らの左手を見て、三本ほど千切れかけてブラブラしている事に気付いたらしい。 「あぅあー、ナタで切っちゃってたっぽいね」 「気をつけろよ。DNA鑑定で捕まったら洒落にならんからな。はいお待ちどう」 テーブルに料理をてきぱきと並べる俺。主夫の鑑だ。クッキングパパならぬブラザーだ。 でもブラザーコーンは勘弁な。 89 :二作目 :2006/07/23(日) 17:13:06.69 ID:R1cdqz2TO 「んぐ……むぐむぐ」 もしゃもしゃと人肉料理を貪る妹。 植物の成長を早回しで見ている様に、指が恐ろしい速度で再生していく。 「そうそう、兄ちゃん今日21時上がりだから、飯先に食ってろよ。冷蔵庫入れとくから。弁当はテーブルの上な」 「はーい……ご馳走様でした」 ありえない速度で食べきり、いそいそと配達のバッグを肩に提げる妹。 バッグはバッグでもドラムバッグだ。 一日で人間一人を貪る割に体型はスリムだが、それはきっと消費カロリーも比例しているのだろう。 「いってきま……忘れてた」 「ん?」 「今日は僕、クラスの娘達と買い物して遊んでくるから、ちょっと帰り遅くなるかも」「何時?」 「11時……まで……には……帰る気配」 言い淀む妹。 「アウト」 「せ、セーフにしてよ!」 「アウト。つーか気配ってなんだ。それ以前に人肉摂らなくて大丈夫か?」 「その、だからね、お弁当(人肉オンリー)大目にしてくれれば」 高一が23時帰宅はアウトだろう。 「20」 「せめて22」 「21」 「2130でお願い!ファイナルアンサー!」 いつ選択権がこいつに移ったんだ。 90 :すいません後もう一作有ります :2006/07/23(日) 17:13:52.03 ID:R1cdqz2TO 「仕方ねーなぁ。じゃあ九時半には帰るんだぞ……って指!指ぃ!」 玄関に向かおうとする妹は、またもやらかしていた。 「え?手、なんともないよ?」 「そうじゃなくて口から出てんだっつうの」 「あ」 哀れな若人の指が、妹の口から一本プラリ。 トースト咥えて『遅刻だ!』ならともかく、人の指じゃラブコメどころか恐怖人喰い大陸にしかならん。 妹は指を飲み込み、 「行ってきまーす!」 と元気に飛び出していった。 俺はこれから弁当作って出勤だ。 ああ素晴らしくも下らない日常。ロメロとフルチに乾杯。
93 :ラスト:2006/07/23(日) 17:15:37.61 ID:R1cdqz2TO ――昼。 「初めて見たの」 昼休み、屋上で二人。 彼女は虚ろな表情で呟いた。 「友達にね、隣の高校に、あんたと似てるコが居るって言われて」 その目は驚いたように見開かれているのに、光を宿さない暗い目だった。 「うん、確かに同類だった。話もしたよ?ゾンビ談義っていうのかな」 足や関節に負担が掛からないように俺が用意した椅子。 それに腰掛けながら、空を仰いで滔々と彼女は語る。 「この毎日毎日気が狂いそうになる痛みとか、どんどんボロボロになってく体とか、相談したの。そうしたらね――」 彼女は両腕で自らを抱いて、肩を震わせた。 恐ろしいものを見たかの様に。 「あのコは『そんなの、人食べればすぐ治るよ。痛みの方も脳味噌食べれば和らぐし。少しの間だけどねw』って」 俺は何を返すべきかわからず、ただ、黙って話を聞いていた。 「あのコが殺して食べて、お兄さんが死体捨てるんだって。料理までしてくれるんだって」 彼女の声に震えが混ざる。 「おかしいのは私なのかな?それしか食べれないなら、食べなきゃいけないのかな?」 俺は答えられない。 「私は……嫌だよ。体がどんどん磨り減ってくのも痛いのも嫌だけど、人を食べるのだって嫌だよ」 ぼたり、ぽたりと屋上のコンクリ床に、滴が落ちる。 目から落ちるそれは、しかし涙では無い。 彼女が多種類を複合させて使っている防腐剤。 その一種の液。 「胃なんて、蘇って半月くらいで、他の内臓と一緒に全部取り出したのに……私……時々…………人を見て……食べたいって……」 嗚咽を交えながら喋っていた彼女は、最後まで言い終える事なく泣き崩れた。 94 :ラスト:2006/07/23(日) 17:17:19.89 ID:R1cdqz2TO 「俺が、アンパンマンみたいなのだったらな」 「……えっ?」 彼女は涙をはらはらと流しながら、俺を見やる。 「大丈夫?」 彼女は俺の額に手を当てて、「熱いよ……?夏風邪?」 体温0の彼女には、平熱でも熱いのだろう。 「ごめん説明足りなかった。ほら、アンパンマンって頭喰われても平気じゃん。代わり付ければいいだけだし。『新しい顔よー』みたいな」 そこまで言って、彼女は俺の言わんとする所を解したらしく―― 「あ、あはっ、ははははははははっ!」 爆笑した。 「ちょっww俺、まじめに言ってるのにww」 笑い泣きの彼女は目元の涙を拭いながら、 「ご、ごめん!だって、君の生首を剛速球で投げるバタ子想像したら……あはははっ!」 喩え話だというのに、彼女は随分と奇怪な光景をイメージしていたらしい。 「はぁ……はぁ……、うん、気持ちは有り難く受け取っとくよ」 まだ頬がピクピクしている。 ツボに嵌まったらしい。 「そろそろ戻ろっかな。君のせいで笑いすぎて、メイク崩れちゃった」 「あ……悪い」 彼女にとってのメイクとは、常人のそれと重要度が遥かに違う。 朽ちていく肌を隠す為の、人間社会で『生きていく』為の仮面なのだ。 「なぁ」 階段を下りていく後ろ姿に、声を掛ける。 「なに?」 応じる彼女は足を止めず、手摺を使って静かに淡々と下りていく。 「俺が死んだら、食べていいから」 彼女はふっと足を止めて振り返り、 「……パス、それで癖になったら私が困るからね!」 笑った。
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 17:59:03.08 ID:NzkUKCl80 兄「ちくちく……ちくちく」 妹「うひゃひゃひゃひゃー」 兄「こら、動くな。針が刺さる」 妹「だってー、くすぐったいよー」 兄「動くともう腕を縫い付けてやらんぞ」 妹「ごめん゛なさいー」 兄「もう少しだから大人しくしてろよ……よし出来た」 妹「おぉー」 兄「あんまり暴れんなよ。夏場は筋肉が緩んでるんだから」 妹「はーい……あ、あれ? これ、何か変だよ。左が右で右が左?」 兄「あ、しまった、腕を逆にくっつけちまったか……」 妹「えええーーー!? 治してよー」 兄「……めんどくさいからしばらくそのままでいろ」 妹「お、オニーチャン゛おーぼーだー!」
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/23(日) 18:19:25.30 ID:FgVYixlk0 妹「おにーちゃーん!おさんぽしよーよー!」 兄「今日は涼しいし、まあいいか」 妹「やったー♪」 妹「おにーちゃん、手つないで歩こうよ!」 兄「しょうがないな…ほれ」 妹「やったー♪」 兄「うーん、今日はやっぱり涼しいな。良かった良かった」 ぶちっぼとっ 兄「あれ?何か落ちたか?まあいいか」 兄「あ、内藤さん家増築してんだなー」 ぼとっぼとっ 兄「あれ?また落ちた?」 兄「おーい俺なんか落としたか?って…あれいない」 (100b後方から) 妹頭部「お兄ちゃん待ってよ〜腕だけ持ってくなんてひどいよ〜」 (゚д゚)
184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 00:39:07.01 ID:rsNn7UDGO 兄「肉は腐りかけがおいしい…か」 妹「あ゙ーっ!オニーチャン゙私を食べよゔと思ってるでしょ!」 兄「お前は完全に腐ってるからアウト。そしてそういう事をデカい声でいうな。あらぬ誤解を──」   同時刻:隣りの部屋 隣人「(な…! 妹を食べる…!? そ、それはつまり性的な意味でかッ!?ハァハァ…)」
228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 01:44:50.94 ID:246P3ZinO 200X年、世界は核の炎に包まれ…る事は(多分)なく このそこそこ平和でそこそこ危険な国に、ある新種の奇病が発生した 一言で述べると「ゾンビ化」 ある日突然生体反応が消え、それでも活動を続けられるという奇病中の奇病 この奇病は小学校高学年から成人するまでの女性にのみ発病する 伝染するかどうか、ウィルスによるものなのか細菌によるものなのか、そもそも病気なのかすらわかっていない この病気に私、存美は罹った この病気に罹っているのは思春期の女性の約5%。少なそうに思えるけど、私が通う女子高の40人のクラスのうち2人は罹っている計算だ そう、罹っているのは私と 無二の親友である荒ぶる鷹
243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 02:00:33.63 ID:246P3ZinO 荒ぶる鷹は私達が小学校の時からの一番の友達。そして同じこの病気に罹ってからは二人でこっそりお互いの病状を相談するようになった 「めんどいよなー。わざわざ人目に触れないとこで相談しなきゃいけないのは」 「しょうがないよ。バレたら研究所行きだもん」 まだ病気とも現象ともつかないこの奇病を解明する為、罹患者は無条件で研究所行き。例えまだ小学生であろうと 当然自分から名乗り出る人はいない。だから政府は年に一度の検査を義務付けた。 簡単だ。脈に触れるだけでいいんだから 「最近また押さえ切れなくなっちゃったんだよねー」 「またなの荒ぶる鷹?こないだもやったばっかじゃん」 「しょうがないじゃんよ。喰わなきゃ維持できないんだから」 「わかったわ。じゃあまた今夜やる?」 「いいねー、懐もさびしかったとこだし!」
245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 02:06:18.86 ID:SYcaGIM90 棺の中で眠る妹 俺の妹は交通事故で死んでしまった 13歳と言う若さで これまで妹と過ごしてきた日々 数え切れないほどの思い出 「はやすぎるだろ・・・いくらなんでも・・・」 二親を早くから無くし、俺のバイトと妹の新聞配達で何とか食っていっていた 裕福ではなかったものの それなりに幸せだった 「俺は・・・まだお前と・・・居たかった・・・」
248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 02:12:07.66 ID:SYcaGIM90 喪主が俺の葬式  「これから俺はどうすればいい?このまま1人で生きていくのか?」 そう そう思いながら棺にもたれかかっているときだった 「おに・・・い・・ぢゃん”」 最初はあまりの悲しさに幻聴が聞こえたんだと思っていた でも、そうじゃなかったんだ 妹が   妹が目を覚ましたのだった 「おにーつぁん” 泣かないッで・・・」 俺は気が付くと棺のふたを開け妹を抱きしめていた モウかけねwww文才なさ過ぎ
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 02:17:49.16 ID:246P3ZinO 私たちは生きた人を喰らわないと体も自我も維持できない 人を喰らうなんて狂人のマネゴトをしないと自我を維持できないなんて なんて、皮肉 荒ぶる鷹と今夜落ち合う約束をして家に帰る 「おっおかえり」 おにいちゃんが出迎えてくれる。両親を亡くした今、ただ一人の肉親。私が奇病に罹っているのを打ち明けたのは荒ぶる鷹とおにいちゃんにだけ。おにいちゃんには、人を喰っているなんて死んでも言えないけど… あ、死んでるんだっけ、私 「また一日パソコン?」 「おー。2ちゃんでおもしれースレ見っけたからよ」 一応言っとくとおにいちゃんは社会人だ。手に職をもってるけど、仕事がある日とない日が不規則にあるみたい 「2ちゃんもいいけど、仕事も頑張ってよね」 「…」 なんで黙り込むかなぁ?仕事嫌いなのかな 「私またちょっとバイト先に呼ばれたからヘルプ行ってくるね〜ご飯は先に食べてて」 「うぃ。気ーつけてなー」 もちろんウソ。ごめんね、おにいちゃん 荒ぶる鷹との待ち合わせ場所に急いだ
251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 02:21:19.75 ID:SYcaGIM90 「もう絶対にお前を放さない」 そう誓ったあの日から俺と妹の新しい生活が始まった -それから1年後- 妹「お”にーぢゃん!どう?高校の制服ッ!」 兄「お、おい!あんまりはしゃぐと体が崩れるぞ!」  ドグシャァッ 兄「あ〜ぁ 言わんこっちゃない・・・」 妹「あ”ぁ〜うヴぉぁ〜」 兄「しゃぁないな ホラ、くっつけてやるからじっとしてろ」 妹「ヴぅ〜 ありがと おにーちゃん"」 今日は妹の高校の入学式  「せっかくの入学式なんだからきれいにしてやんないとな」 俺は一年前の事故で死んだ妹と暮らしている 普通の妹じゃない 生き返った妹 誰かはそれを『ゾンビ』と言うかもしれない でも俺はそうは思わない なんていったって一生をかけて守ると誓った妹なのだから                       fin
260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 02:36:58.92 ID:246P3ZinO 「おっそいぞー」 「ごめんごめん。夕ご飯作ってたから」 「あー、あのちょっとかっこいいおにーちゃんか。羨ましー」 「お、おにいちゃんはそんなんじゃないよ…」 「はいはいバレバレだから。じゃあ今日も行きますか!」 今日も自分をエサにして「エサ」を釣る方法。つまり繁華街をぶらぶら歩くだけ。これだけで「そういう目的」のやつらが面白いように釣れる かかったら適当なラブホで事を済ます 今日も三人かかった リミットが近かった荒ぶる鷹は貪るように食べている。自我はちゃんとあるみたいだけどもう慣れたようだった 私はというと。一人をたいらげるのもできずだいぶ残してしまった 「どしたん。調子悪いの?」 「ううん…まだちょっと慣れなくて…」 「ふーん。ま、無理して食べなくてもいいんじゃん?片付けるのはケーサツなんだし」 一段落ついて三人の財布から金を抜き取る。しめて15万7千860円。二人で分けてそれぞれ帰路についた
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 02:39:14.28 ID:IYeY+I8D0 ゾンビな後輩ってのもいいんじゃないかと思うんだぜ 兄「で、お前なんで色々はみ出てるんだ?」 後輩「いやー、それがですね。この前、愛しの先輩に早く会いたいと、 早番じゃないのに一目散に家を出て、通りがかりの交差点でちょっと 車にはねられまして、晴れてゾンビになったのですよ。」 兄「そうか、交差点は危ないから気をつけろよ。ところで、お前動き が遅くないか?」 後輩「先輩、ゾンビの3原則を知らないんですか?動きが遅くなる・脳 を破壊されない以外死なない・生きてる人間を襲う・の3つですよ。A・ ロメロ監督も言ってます。あ、でもちなみに先輩は愛の力で、襲ったり はしませんから。でも、別の意味でなら・・・きゃ、私ったら大胆」 兄「そうかよかったな、でもなるべく冷蔵庫に居ろよ。そろそろ腐りか けてるからな」 後輩「く、くく腐ってません。」 という、俺の妄想
268 :(,,・ω・):2006/07/24(月) 02:43:46.62 ID:TgzqkWwFO 昨日、妹が死んだ。 妹の体は車に牽かれた事により全身ボロボロになっており、加害者もそのまま電柱にぶつかり即死だった。 「うぁぁ…何で…何でこんなぁ…」 幾度涙を流しても涙が尽きない。 唯一の家族だった妹…大好きだった妹…それが死んでしまった今、俺はどうしたらいいのだろうか。 「なぁ…そんなになって…苦しくないか…?」 「そっちは…寂しくないか…?」 妹の遺体に語りかける。返答があるはず無いのに…。 こいつが生きていないなら、俺はどうすればいいんだ…。 「…俺も…そっちに行くよ…」 そう決めた。 物置からロープを持ってきて、梁に結び、輪を作る。 丁度、妹の遺体の上だ。 「今…行くからな…」 俺は首を括った。 もの凄いスピードで意識が遠のく…。 270 :(,,・ω・):2006/07/24(月) 02:44:13.21 ID:TgzqkWwFO 目が覚めると、俺は妹の上に倒れこんでいた。 どうやら死ぬのに失敗さたらしい。その証拠に、ロープがちぎれている。 「はは…お前の後を追うことも出来ないのか…」 掠れた声で呟く。 「…お…兄ちゃん゛」 「…え?」 妹の声…。 俺は妹の上から飛び退く。 「駄目だよ…し゛んじゃあ…」 「お前…生き返って…?」 妹がゆっくりと、ボロボロな体を起こす。 「よくわかん゛な゛いけど…私の゛中に…お兄ぢゃん゛の魂が入っできたよう゛な感じがして…」 そんなオカルトな話があるのだろうか。 しかし、実際に妹は生き返っている。 若干様子はおかしいが…。 「お兄ちゃん゛…?」 不思議そうな顔をして俺を見ている。 「いや…」 詳しい事はどうでもいい。妹が帰ってきたんだ。俺にはそれだけでいい…。 「お帰り…藤美」 「…う゛ん…ただいま、お゛兄ちゃん…」 続きは書くかわからない。
276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 02:56:44.49 ID:246P3ZinO いまやこの国の流れにすら影響を与える女子高生のネットワークは物凄い。政府の抜き打ち検査がいつなのかすら噂として流れてくる 私達が検査をスルーできているのも校医の娘が罹患者である(当然名乗り出ていない)という情報を得て校医を脅しているからだった 「なんか情報によると、変な事件が起こってるらしいよ」 「事件?」 「ラブホ連続殺人事件」 「それ私達が 「違う。罹患者が男釣ってラブホで喰うなんて全国で起こってて今更不思議じゃないけど、最近は喰われた男の死体と胃に人肉が入った女の死体が見つかってるらしいんだ」 「…釣られた男と」 「…罹患者」 「とうとう…『狩ル者』が現れたのかな」 「でもあたしは絶対にやられない。死んでまた死ぬなんて絶対にいやだ」 「うん。私も」
280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 03:15:18.54 ID:246P3ZinO それから「釣り」の時はより警戒するようになった事以外は、いつも通りの生活が続いた リミットは個人差があるらしく荒ぶる鷹は短め、私はやや長めのようだ。その為か荒ぶる鷹は時折一人で「釣り」をしているようだった 「『狩ル者』についての新しい情報だ!」 「えっ!?聞きたい!」 「えっと…「俗に言われている『狩ル者』は『トリコロ』と呼ばれているらしい」…なんだこりゃ、全く役にたたねーじゃん」 「…なんだろ。トリコロールの服を着ているとかかな」 「うーん………駄目だわかんない」 「とりあえずはトリコロの物に注意しよ」 「そーだな」
282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 03:28:43.61 ID:246P3ZinO 私はまたおにいちゃんにウソをついて人を喰らい 荒ぶる鷹は「釣り」が好調でヴィトンとか買うようになり おにいちゃんは携帯に連絡が入る度に仕事に行く そんな日々がずっと続くと思ってた けれど、 荒ぶる鷹が、狩られた 死体の状態で動き回っていたからか、罹患者の死体はボロボロに崩れてしまうようだった 研究所行きを逃れ、何人もの人を喰らい金を奪い続けた娘を持った親として、荒ぶる鷹の両親はマスコミなどに酷い仕打ちをされた。マスコミは娘を失った親にすら追い討ちをかけるのか 私がもし狩られたら…おにいちゃんも荒ぶる鷹の両親のような目に合う。私が死んだらおにいちゃんは一人になってしまうのに
289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 03:44:42.92 ID:246P3ZinO パソコンで2ちゃんに耽っているおにいちゃんに後ろから抱き付く 「お、おい」 「ごめん…もうちょっと、このままでいさせて…」 「…荒ぶる鷹ちゃん、気の毒だったな」 違うよ。荒ぶる鷹の事も悲しいけど もしおにいちゃんが、酷い目にあったら おにいちゃんの背中に顔をうずめ、嗚咽を漏らす。するとおにいちゃんがいきなり抱き返してきた 「お…おにいちゃん?」 「俺は荒ぶる鷹ちゃんのかわりにはなれないけど…」 「ううん…ありがとう…」 私、決めた 『トリコロ』を狩ってやる
293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 04:11:29.39 ID:246P3ZinO 「そこまでだ」 「!」 かかった!『トリコロ』だ! 荒ぶる鷹の鎮魂の為、彼女の両親の安らぎの為、おにいちゃんの平和の為、私の未来の為、 消 え て も ら う 嬉々として振り向いた私の瞳孔が開ききった目に映ったのは、おにいちゃんだった 「………え゛?」 「さよならだ存美、俺はお前を狩らなくちゃならない…!」 「ウソ…でしょ゛?おにい゛ちゃんが、『トリコロ』だな゛んて」 「組織名が流れているのか…上に報告しないと。『トリコロ』は、『殺り殺』という意味なのがバレていますってな」 「…おにい゛ちゃんが、荒ぶる鷹を゛?」 「…この地区は、俺の担当だからな」 「それ゛で、『気の毒』とか言ったの゛?」 「死者には、そう言うもんだ」 「おにい゛ちゃん」 「何だ」 「コロ゛シテモ、イ゛イ?」
297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 04:33:51.61 ID:AwpYFeXi0 妹「おに゛い゛ちゃん遊ぼうよ〜」 兄「駄目だって、明日テストだから勉強中」 妹「え゛ー!・・・じゃあ私が勉強教え゛てあげる!」 兄「(仕方ないなもう・・・)わかったわかった」 妹「え゛ーとね1192作ろう?」 兄「鎌倉幕府!」 妹「ぶー、1192作ろう゛食人習慣!」 兄「四文字てとこしか合ってねーだろ・・・つうか食うな」 妹「794うぐいす美味しそう゛・・・」 兄「だから食うな」 妹「泣かぬなら残さず食べろおに゛い゛ちゃん、きゃっ私ったら♪」 兄「原型留めてねえ、というか俺を食うなと」 妹「1951(ひどく恋)しいおに゛い゛ちゃんの肉・・・」 兄「あ、ちょ、やめあqswでfrgtyふじこ」
298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 04:41:03.73 ID:246P3ZinO 「…仕方がないよな。『殺り殺』とは二度殺すの意。相手が死者でも俺は殺す」 おにいちゃんが戦闘体勢をとる 「おにい゛ちゃんの仕事、そういう゛事だったんだ。どおりで不規則だったん゛だね」 アハハハと、おかしくもないのに笑ってしまう もう私達は、死んでしまった時からバケモノだったんだ。女二人で大の男三人を楽々殺傷できるのだから ボロボロと、死んでから二度目の涙を流す。私は泣き笑いながら、おにいちゃんに殴りかかっていった… 次ラストかも 300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 04:59:23.23 ID:246P3ZinO あとに残ったのは お腹に穴があいたおにいちゃんと、腕を真っ赤に染めた私 「な゛ん、で…」 なんで攻撃も防御も回避もせず、ただ殴られたの 「妹を…殺せる…兄が…げほっ、どこにいる…だが…組織の命令は…絶対だ…お前を逃がすには…これじがっ゛」 「おにいちゃん!」 私が、『私』に戻った 「…お前と闘う前…組織に…『標的を仕留めた』と…連絡した…これで…しばらく組織は…混乱するだろう…がはっ…この隙に…逃げろ…」 「やだ!死なないで!死んじゃいやぁぁぁぁぁ!!」 「死人に…死ぬなと言われるのも…あの世での語り草に…なるか」 「やだよ!おにいちゃんがいなかったら私…」 「早くしろ…もうすぐ…組織の者が確認に来る…さぁ…早く行け!最後に…謝らせてくれ…荒ぶる鷹ちゃんの事…すまなかった」 「もう…いいから…喋らないで…」 「逃…げ…」 「…ありがとう、そしてさようなら。おにいちゃん」
315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 07:19:50.93 ID:Hr51WzaKO    ビタッ ――ビタッ  窓ガラスに手形が残る。  それは白いカーテン越しにも確認できるほど、赤く、紅かった。 「ぉに ぃ…ちゃ ん゙」  手形の「主」が俺を呼ぶ。  牽き殺された蛙のような、変わり果てた声で。 「ぁけ てよ……ぉ にぃぢ ゃん………」 「く、来るな!」 「酷ぃ よ…どぅし てそんなご と言ぅの゙……? ボク、折 角帰ってき たの゙に………」  カーテンの隙間からそれ、妹の沙耶の暗い瞳が俺を見つけ、不気味に笑う。 「ぉ にいぢゃ ん… …見ぃつけ た………」
322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 08:53:13.13 ID:SlZCa3Nb0 俺昨日口裂け女に会ったんだ…… 私キレイ?って聞かれたから思わず 「ニフラムニフラムニフラム!」って言ったら………
323 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 08:53:53.82 ID:Hr51WzaKO 「た だぃ ま… ……」 「ぅ…ぅわぁああぁああああッ!!」  俺は椅子から転げ落ち、床で腰を打った。 「だぃ …じょ うぶ……?」 「く…来るな………来るなぁぁあああぁあああぁああッ!!!」  逃げようにも、腰が抜けて立ち上がれない。  俺は身体を引きずりながら、必死でドアまで逃げた。  だが、それより先には進めない。  腰が抜けたままではドアノブに手が届かないのだ。 「酷ぃ よ…… 逃げる゙ なん て…… …」  沙耶が悲しそうな目になる。   ――騙されるな。  沙耶は死んだんだ、一週間も前に。  目の前にいるのは偽者だ。  沙耶の死体に悪霊が乗り移ったんだ。  そして俺が気を許せば……一気に俺に跳びかかり、殺し、肉を喰らう………。  騙されるものか。  例え大好きだった妹の姿をしていたとしても。
330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 10:26:16.91 ID:Hr51WzaKO  外は雨だ。  静かな部屋に、ザーザーと雨音だけが響く。 「……されないぞ」 「聞こ ぇな゙ぃよ、ぉに ぃちゃん……」 「俺は騙されないぞッ!!」  自分でも驚くほど、突然俺は怒声をあげる。  カーテンの隙間から覗く沙耶が、一瞬怯んだように見えた。 「ぉ、おに゙ぃ ちゃん… …どぅじ たの?」 「気安く呼ぶな偽者め!」 「違 ぅよ… ボク はボグだ よ……沙耶 だょ………」  沙耶の偽者は再び悲しみの表情を浮かべる。  偽者とはいえど、生前とは多少変化はあれど、外見はやはり沙耶だ。  俺はその顔を見ると、こっちまで悲しくなってきた。  だが、その感情を必死で振り払う。  違う 違う 違う!  沙耶は死んだんだ!  俺の目の前で、トラックに牽かれて死んだ!!  今でも鮮明に脳裏に焼き付いている悪夢。 332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 10:36:26.50 ID:Hr51WzaKO  ゆっくりとバックしてくるトラックに沙耶の身体が潰されていく光景。  止めてくれ、あの時、その言葉すら運転手には聞こえなかった。  ……運転手は仕事に疲れたのか、昼寝をしていた。  クーラーを入れた車内で、エンジンをかけたまま…。  バキバキと音を立てて沙耶の足が潰されていく。  痛い、痛いと沙耶は悲痛な叫び声をあげる。  アスファルトに紅い水溜まりが拡がる。  俺はどうしたら良いのか判らなかった。  ただパニックになり、助けようと沙耶の腕を思いきり引っ張り続けた。  …トラックは止まらなかった。  ゆっくり、本当にゆっくりと、沙耶の体を押し潰していく。  足を砕き、腹を潰し、ついには胸の辺りにまでトラックのタイヤは進んできた。  沙耶は虚ろな瞳のまま、虚空を見上げたままだ。  呼吸音ももう聞こえない。  だけど俺は諦めず、沙耶の腕を引き続けた。   ――ずるり  後ろに倒れこむ。  だが、手には沙耶の腕が握られたままだった。  そして俺の目の前で、  沙耶の頭の左半分が、  ぐしゃりと音を立てて、   潰れた。 338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 11:05:44.99 ID:Hr51WzaKO 「……………」  思い出しただけでも嫌だ、吐き気がする。  そして…何もできなかった自分自身が殺したいほど憎くなる。 「……偽者め、沙耶から出ていけ……これ以上俺の妹を汚すな」  その憎しみを、今は目の前の姿だけが沙耶の『モノ』にぶつける。 「偽者じ ゃな゙ぃ よ……沙 耶だよ… ……。証拠だ ってぁ る゙よ…?」 「……証拠?」 「ぅ ん、思 ぃ出。おに ぃぢゃん との゙……」 339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 11:09:07.75 ID:N8gMyIckO すごいほしゅしといてやるよ 340 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 11:25:01.65 ID:JOCrsuuq0 ほっちゃん 341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 11:27:01.55 ID:Hr51WzaKO  偽沙耶の目が笑う。 「ち ぃさいとぎ にボクが犬に追い掛けら れでたときに゙、お にぃちゃん゙ボク を助け てくれ たょね」 「!!?」  ――覚えている、いや、忘れたりなんかしない。  滑り台の上で蹲って泣いていたあの時の沙耶。  確か俺がまだ自分のことを『僕』と言っていた時期だから……7歳くらいだ。 「ぁ のとぎ はぉにぃ ちゃんが犬に石を投げ て助け てくれ たんだ ょね゙」  そうだ、そして結局そのあと犬はターゲットを俺に変えて……噛みやがった。 「それ゙ から小 学校の どき、いじめられ てだボ クをま゙た助けてく れた……」 「確か俺がおまえの同級生の……畑山だっけ? そいつとこの一件でケンカしたんだよな……」 「そ ぅそゔ 。で 、結 局」 「俺が負けた」 「おに ぃち ゃん゙の 負げ」  俺たちは互いを指差し、声を合わせて言った。 「でも、そ れ゙からボ クがぃじ められる゙こ とは無くな゙っ たんだよね」  …本当に懐かしい。  俺の顔にも自然と笑みが浮かんだ。 345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 12:04:02.06 ID:Hr51WzaKO 「でも ね゙、一 番おにぃぢゃ んに謝り たぃごとがあ るの……」 「ん? 俺に?」 「ぅん 。ぁ のね、一 週間前に゙」  その言葉で、俺は我に帰る。 「そ の゙…、ボ クがト ラ゙ックに牽 かれて」  そうだ、沙耶は――― 「死 んじゃ ッた時の ことな゙んだけど……」  あの時、死んだ。  偽者だ! 騙されるな!  違う! コイツは沙耶じゃない!  偽者違う沙耶違うコイツは騙されるな偽者め憎い殺せ思い出沙耶殺せ騙されるものか殺せ殺せごめん殺せ殺せ殺せ違う殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ!!!  偽者の沙耶を殺せ!!!  俺はポケットからケータイを取り出し、偽者の『目』に向かって思いきり投げつけた。  ――ガシャァァアアン  無数の砕けたガラスが絨毯の上に飛び散った。 349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 12:30:08.44 ID:Hr51WzaKO 「ぅ……ぎぃッ! ぁぁあぁあ゙あ゙!!!」  ケータイは偽者沙耶の目に命中した。  さらに体には無数のガラス片が突き刺さる。  ――偽者に勝った。  あれだけのガラスが刺されば普通の人間は死ぬ、そう確信した。  が、俺は思い出した。   沙耶はすでに『死んでいる』ことを。  駄目だ、偽者に勝てない…。  さらにはお互いを隔てていた唯一のバリケード、窓ガラスすらも自ら破壊してしまった。   ――勝ち目は無い…!? 「痛ぃ ……ぃだ いょぅ……。ど う…して? ぉに いちゃ ん………」  筒抜けになった窓から風が舞い込み、カーテンを揺らす。  そこで俺は初めて、部屋の明かりに照らされた、沙耶の全身を目にした。  沙耶はすでに全身が腐敗しており、皮膚が崩れている部分すらあった。  肌は青白く、ときに紫で、ときに茶色だった。  腹からは腸が、だらんとだらしなく垂れている。  右腕は無かった。それもそうだ、自分が引き抜いたのだから。  そして顔……右半分はまだ見れる、だがトラックに潰された残り半分はぐしゃぐしゃにえぐれていて、脳味噌は露出し、目玉はすでに無かった。 351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 12:47:06.01 ID:Hr51WzaKO 「ぅ…ぅわぁああぁああああ!! あぁッぁっあぁあああぁあああ!!!」  怖かった。  いや、死体が怖いんじゃない、気味が悪いわけでもない。  ただ、目の前のモノがかつて『沙耶』であったことが信じられなく、ひどく恐ろしかった。  窓が無いことで、今まで遮られてきた腐臭が一気に部屋に流れ込む。  臭い……、俺はその場に嘔吐した。 「ぅ…げぇえッ!!」 「ぉに ぃち ゃ 「部屋に足を踏み入れるな! 化け物!!」  俺は偽沙耶に向かって怒鳴る。 「ばけ……もの………?」  偽者は足元を見る。いや、見つめ続ける。  俺のケータイが開いた状態、待ち受け画面を向けた状態で落ちていた。 「ああ、そうだよ! お前のことだ腐った化け物! よくも…よくも俺の……俺の大好きな、大好きだった沙耶を汚しやがったな!! 殺してやるッ!! 返せ!! 俺の大事な沙耶を返せよぉお!!!」   ――そこから先は覚えていない。  あぁ…そうか。俺も死んだんだな、化け物に喰われて……。  沙耶………これでおまえに会えるかな?  ……………………………………。 355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 13:11:47.03 ID:Hr51WzaKO  光が眩しくて目を醒ます。  ぼんやりと、ゆっくり部屋全体が視界に入ってくる。  俺は床で寝ていた、昨日と気絶したのと同じ位置で。  足元にぶちまけたはずの吐捨物は綺麗に片付けられており、自分でした覚えもないのに、俺に毛布がかけられていた。  窓は割れたままだった。  ふと気付く、床じゅうに濡れた足跡のようなものが無数にあった。  その足跡は窓からベッドへ、ベッドから一旦俺の元に、そして机のティッシュを手にとり、吐捨物を片付けた後、ケータイを机の上に置いて、窓から出ていった……。 「まさか……」  有り得ない、あれは…あの醜い化け物は沙耶の死体に乗り移った悪霊のはずだ。  なのに何故俺は生きている?  何故ここまで俺に優しくする?  何故…黙って出ていった………。 356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 13:26:11.25 ID:Hr51WzaKO 「…そうだ、ケータイ………」  思いきり投げたから壊れたかもしれない…。  幸い腰はすでに治っているようだ。  俺は立ち上がり、ケータイが動いているか確認した。  ……良かった、動く。 「ん?」  ふと、メールフォルダにまだ送信していないメールがあることに気付いた。 「…送信失敗してたかな?」  送信フォルダを開く。  メールのタイトルはこうだ。   『お兄ちゃんへ』 360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 13:39:16.24 ID:Hr51WzaKO ---------------------------- お兄ちゃんがこのメールに気付く頃には、ボクはたぶんもうこの部屋にはいないんだろうな、と想います。 えぇと、突然驚かせちゃってごめんなさい。 どうしてもお兄ちゃんとちゃんとお別れがしたくて、会いに来てしまいました。 でも、ボクはバカだったみたいだね。 自分はもう死んでるから、体が腐っちゃってることくらいわかりきっているのに。 それでも、お兄ちゃんなら抱きしめてくれるかなーって。 えへへ、甘すぎるよね、こんな考え。 ケータイ投げられたり、ガラスが刺さったりして痛かったけど、ボク全然怒ってないよ。 ボクの方こそごめんね、汚いまま帰ってきちゃって。 お兄ちゃんには本当に感謝しています。 パパとママが死んじゃってから、いつも夜遅くまでバイトして、ボクを養ってくれてありがとう。 それに犬に追い掛けられたときも、いじめられてたときも、まだまだ、お兄ちゃんには何度言っても足りないくらいのありがとうがあります。 ボクね、いつかお兄ちゃんに恩返ししようと思ってたけど、結局できなかったね。 ごめんなさい。 362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 13:52:07.98 ID:Hr51WzaKO それにね、ボクが死んじゃったあのとき、最期までお兄ちゃんは諦めずにボクを助けようとしてくれたよね。 ありがとう、そして死んじゃってごめんなさい。 お兄ちゃんには辛い想いや悲しい想いをいっぱいさせちゃったと思います、本当にごめんなさい。 えへへ、ごめんなさいも言い足りないね。(笑) 嬉しかったよ。 痛かったけど、すごく嬉しかった。 ボクこんなにお兄ちゃんに大切に想われてるんだなぁー、って。 そろそろメールの本文の文字数も無くなってしまいます。 やっぱり、できればお兄ちゃんとちゃんとさよならしたかったなー。 へへ、未練がましいかな? でももう一度お兄ちゃんに会えて良かったです。 本当はずっと一緒に居たかったけど、流石にワガママすぎるよね。(笑) うん、ボクもう行くよ。 お兄ちゃんはボクの分もしっかり生きてください。絶対自殺なんかしないでよー。 天国で待ってるから、おじいちゃんになったらまたボクに会いに来てね。 それで、生まれ変わったら今度はお兄ちゃんの恋人さんに、ううん、生まれ変わっても、お兄ちゃんの妹がいいな。 それじゃあお兄ちゃん、またね。 P.S. ケータイの待ち受け、あの写真使ってくれてたんだね。 ありがとう。 ----------------------------- 365 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 14:02:43.97 ID:Hr51WzaKO  ぽたっ  知らない間に俺は泣いていた。  帰ってきた沙耶は、外見は変わり果てていても、沙耶だった。  なのに俺は、そんな沙耶にケータイを投げつけ、怪我をさせた。  化け物と罵った。  取り返しのつかないことをした。  涙が止まらなかった。  沙耶が死んでも、泣くのを我慢していた涙が、溢れてきた。  ボクはそのまま、床に膝をついた。 「…腐ってるからどうしたって言うんだ………抱きしめてあげられたさ、どんな姿でも沙耶は沙耶なんだから…………。なのに……俺は……………俺は……ぁ…………………」  時間が経ち、ケータイの画面が待ち受けへと切り替わる。  そこには頬を寄せあって笑う、俺たち兄妹の写真があった。  昨日まで無かった、『お兄ちゃん大好き』と言うメッセージと共に…。 fin 391 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 15:22:41.31 ID:3WLV+vj1O 「存美〜、空気清浄機買ってきたー」 「わ゙ぁ!すごっおっきい゙ね〜」 「これから本格的に暑くなりそうだからな。今後の事もあるし」 「おにい゙ちゃん…」 「そんなに感動するなよ。これくらいお安いご用さ」 「おにい゙ちゃんも最近臭いもんね…」 「ん?」 「夏休み入ってがら全然お風呂入ってない゙じゃん。家に籠ってる゙からって…」 「…」 「私ほどじゃない゙けどスゴい臭い゙だよ?」 「…」 「…」 「ちょい風呂はいってくるわ」 「沸かしてあ゙るからねww」
413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 17:24:43.20 ID:viRbMVOI0 俺「大変だ 冷蔵庫にもう入らない……」 妹「なにが?」 俺「食べ物が」 妹「大変なのー?」 俺「湿気と暑さで腐ってしまう」 妹「……腐るとめ゙ーっなの?」 俺「めーっだよ」 妹「め゙ー……」 俺「めー」 ぺしん ぺしん 俺「何をしてる」 妹「存美は悪い子!存美は悪い子!」 俺「腐ると食べられないだけだよ お前は別に悪くないよ」 妹「……」 俺「……」 妹「ぢゃあオニーチャン゙私のこと食べられないよぅ゙……」 俺「それはどういう意味かな」 妹「……」 俺「……」 ぺしん ぺしん 妹「存美は悪い子!存美は悪い子!」
443 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 20:16:38.52 ID:viRbMVOI0 ゾ「ご主人さま 今日は久々にお出掛けになられるの゙ですか?」 主「ずっと家に篭もってちゃ身体に悪いからね」 ゾ「気付くのが遅いです 暑さで脳が溶けてしま゙いま゙したか」 主「ああ お前はな」 ゾ「失礼な」 主「ああ お前がな」 ゾ「とにかく、お出掛けになられ゙るのなら私もついていきます」 主「暑さで崩れるぞ」 ゾ「ヒキコモリニートのご主人様が久々に外なん゙かに出たら、パニックを起こすに決まってるん゙です」 主「人生最大の侮辱だ あとでオシオキ」 ゾ「オシオキするためにも、無事に家に帰って来ないとダメなん゙ですよ」 主「そんなにオシオキして欲しいのかお前は」 ゾ「違いま゙す」 主「じゃあ一人で行かせてくれ」 ゾ「ダメです」 主「なんでだ」 ゾ「もしもご主人様が帰ってこなかったら……」 主「……」 ゾ「……ゾンビでメイドの私なん゙て、他に行くところが……」 主「今日は出かけるのやめ もう寝る」 ゾ「ご主人様……」 主「茶」 ゾ「自分で入れてください」
447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 20:33:12.81 ID:TonVEJe00 妹「おかいものー、おかいもー」 兄「おいおい、あんまはしゃぐと転ぶぞ」 妹「はーい……」    ド ン 兄「いてて……何だよ」 妹「ああー、オニーチャン゛かばん、かばん! ひったくりだーっ!」 兄「なに?」 盗「ふはははは、この鞄はもろたーっ!」 兄「くぅっ、なんて足の速い……何とかしておいつく方法は」 妹「任せて」 兄「……存美?」 妹「ムウン! 臭い荒縄(スメルバインド)!」 兄「おおっ、これはっ!」 解説しよう! 人間の腸は全長およそ7〜9メートル。 臭い荒縄とは自分の腹からこの腸を取り出して投げ縄のように扱うことで相手を捕獲するというゾンビ唯一の遠距離攻撃手段である。 これを受けた相手は体の自由を奪われる上に腐乱した腸の臭いで戦意まで奪われてしまう。 まさしくゾンビの為に存在する腸サイコーな必殺技なのだ。 妹「あ……」 ただし、素人が投げ縄を上手く使いこなせるわけがなく、この技を完璧に扱えるようになるには10年の修行が必要だと言われているとかいないとか。 妹「ごめん、逃げられちゃった……」 兄「まあ、しょうがないさ。警察行くからそれ、お腹の中にしまいなさい」 妹「う、うん……」
465 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 22:19:39.28 ID:YAm2vuDB0  四月のある晴れた朝、原宿の裏通りで僕は100パーセントのゾンビとすれ違う。  大して綺麗なゾンビではない。素敵な服を着ているわけでもない。髪の後ろには寝癖がついたままだし、 歳だっておそらくもう三十に近いはずだ。しかし五十メートルも先から僕にはちゃんと分かっていた。彼女 は僕にとって100パーセントのゾンビなのだ。彼女の姿を目にした瞬間から僕の胸は不規則に震え、口の 中は砂漠みたいにカラカラに渇いてしまう。 うん。なんてゆーか、ごめん。
468 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 22:25:39.25 ID:BLTwPkEuO 「ひまー」 「俺は忙しい」 「あ゚たしはひまー」 「じゃあ、VIPに『ゾンビだけど質問ある?』スレでも立てろや」 「お゙にーちゃん゚遊んでよー」 「だったら、『安価でおにーちゃんに何かする』スレでも立てろや」 「最近のVIPおもしろ゙くないもん。かま゚ってー」 「やだよ、面倒臭い」 「かま゙ってかまってかまって゚ー」 「わかった、わかったから腸を巻き付けるのはやめてくれ。何げに絞まって苦しい」 「やった゚ー」
473 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/24(月) 22:57:57.33 ID:TonVEJe00 姉「――闇の帳が地に下りる ――夜になろうとしている」 姉「怪物どもが血を求めて彷徨い 街は恐怖に包まれる」 姉「抗う気力の無い者は滅びよ! 地獄の番犬に取り囲まれ 屍となって腐るがよい! フ、ハーハハハハハハハ!」 弟「……なあ、何やってんだ?」 姉「げっ……な、なんであんたまだ起きてんのよ! 寝たんじゃなかったの?」 弟「庭が騒がしいから目が覚めた。そしたらウチのバカな姉貴が黒カーテンを体に巻きつけて高笑いしてた。   大丈夫か? 精神科行くか?」 姉「うっさいわね! 何でもないの! ただの魔王ごっこよ!」 弟「魔王ごっこ?」 姉「そうよ、私だってれっきとした夜の種族なんだからね! 夜の種族は魔王に憧れるもんなのよ!」 弟「そういうもんか?」 姉「そういうもんなのよ」 弟「……」 姉「何よその目は? 言いたい事があるならはっきり言ったらどうなの?」 弟「じゃあ言わせてもらうが……姉貴のどの辺が魔王なんだ。たかが低級ゾンビの分際で」 姉「て、低級っていうなーっ!」 とびげりっ! 弟「はぐうっ!」 姉「いったーーーっ! 足取れたーっ! あんたどんだけ硬い頭してんのよ!」 弟「いや、これは姉貴の足が脆すぎるからだと」 姉「ああ、もう! 何ぼさっとしてんの! さっさと治しなさいよ!」 弟「あー、はいはい……全く手のかかる姉貴だこと」
兄「今日はカレーだぞ。 妹「や゛ったー かれーすきー! 兄「切った野菜、鍋に入れてくれ。 妹「あいあい〜  もぐもぐ 兄「食うな! ・・・やばい。オレの中でだんだんゾンビ妹がバカになってきてる。 以上2枚はバイト先で描きました。ではおやすみなさい。
503 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 00:21:51.85 ID:AuOLCRNPO 兄「何故しょっぱな上下まっぷたつ?」 妹「学園祭の出し物゛の練習゛だよ゛」 兄「…何やるんだ?」 妹「イ゛リュージョン゛ 兄「駄目」 妹「ええ゛え何で〜゛」 兄「いや何でも糞も無いだろ 100%会場地獄絵図だ」 妹「そう゛かな〜゛」 兄「売り子あたりにしとけ」 妹「…う゛ん」 学園祭当日、食中毒多発で結局地獄絵図
509 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 00:32:58.05 ID:SZgfiqPF0 妹「おに゛いーぢゃーん」 兄「なんだ?」 妹「う゛みいきたーい」 兄「海?・・・危ないからダメ」 妹「なぁ゛んでぇー!いきたいいきたいいきたい゛ーっ!」 兄「ダメだっ!お前は水に浸かると皮膚剥がれるんだぞ!?内臓なくなっちゃってもいいのか!?」 妹「べつにいい゛もん!いきたい゛たきたい゛!」 兄「わわっ!暴れるなって!」 妹「やだーー!もうこんなのいらない!」 ビチャビチャ 兄「お、おいおい!ちょ・・・やめろ!」 妹「いーーーあ゛ーーーっ!」 グチャ!ビチャ! 兄「いでっ!わかったから内蔵投げるのやめろって!」 妹「う゛ーー・・・」
524 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 01:38:38.53 ID:lzrrcMMD0 「気持゙ぢいー……ほんとに゙いい゙天気だね゙え、おにい゙ちゃん」 妹は崩れかけの顔をくしゃくしゃの笑顔にして、幸せそうに遠くの空を見ていた。 「その台詞、五回目な」 俺は妹の腐り千切れかけた腕を針と糸でちくちくと縫っていく。 白を通り越して黄色がかった肌の内側から蛆や羽虫が現れては、逃げるように去っていく。 気持ちのいい風が全開にした窓からさらさらと流れ込んできていた。 「あ、ねえ、おに゙いぢゃん」 妹がくるりと勢いよく俺に向き直り、はずみで縫い合わせていた腕がぶちぃと千切れた。 糸の切れ端がぷらぷらと風に揺れた。 「……」 俺はしばし自分の左手に支えられたままの妹の腕を見つめ、ついで妹の肘から突き出している黄ばんだ骨と組織を見つめ。 最後に妹の顔に視線を移した。 「ゔ……ぞ、ぞんな目゙で見なくても」 「じーっ」 「ゔ……ご、ごめ゙んなざい……ぞんな、五回目だから゙って怒らなぐても゙……」 「八回目」 「うゔ……」  そこで俺は耐え切れなくなって笑い出す。 「いいっていいって。いくらでも繋ぎなおしてやるから」 「でも゙……」 「気にするなって。お前は俺のたった一人の大事な妹なんだからな、これくらいどうって事ないさ」 「でも゙……あ゙の……」 「そんなに気にするなら今度なにかおごってくれればそれでいいし。さ、腕出して」 「わ゙たしの゙腕はいいけど、お兄゙ちゃん゙が持っでた腕、カラ゙スがくわ゙えてっ゙た……」 「……」 「……」 俺はゆっくりと立ち上がった。 「……腕取りかえしてきたらアイスでもおごるわ」 「じーっ」 そんな目で俺を見るな
527 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 02:01:37.10 ID:rrR5oSfG0 男「うわ、散らかってますね」 女「……しょーがないだろ。最近部屋片付ける時間も無くてさ」 男「それに腐乱臭も凄いですよ……」 女「そりゃあたしの体臭だ。家の中じゃ香水つけねーからな。ま、その辺座れ」 男「はい……って、うわ、何か踏んだ!」 女「あ、あたしの肝臓だ。無くしたと思ってたらこんなとこにあったのかよ」 男「そんな何事もなかったかのように肝臓を腹に入れないでください。せめて洗ってから……」 女「だいじょーぶだって。それより酒酒! 買って来てくれたんだろ?」 男「ええ、勿論、買ってきましたよ……買ってこないと先輩うるさいですからね」 女「おお、これこれ……では早速(ぐびっぐびっ!)」 男「ああー、そんな度数高いお酒をいきなりラッパ飲みは体に悪いですって!」 女「……ぷはぁっ! いやーやっぱ仕事明けは体内アルコール洗浄に限るわ! これ最強!」 男「せ、先輩、そんな豪気だからいつまで経ってもお嫁にいけないんですよ……」 女「よけーなお世話だ! それより、おまえも飲むか? ん?」 男「え、と……コップは?」 女「判らん! いいからおまえも直接飲めぇいっ、うりゃうりゃうりゃ!」 男「え、ちょ、ぶっ、ぶぐぐーっ!」 ネクロノミコンで変換したらネクロの未婚と出てきたので、酔った勢いのまま未婚キャラを書いてみた。
545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 02:53:38.90 ID:lZLj+mcOO 「○○ちゃん゙。○○ちゃん゙起きて」 存美か。毎朝毎朝よくもまぁ飽きないもんだ。 「ん…もう起きてるよ。まだ6時半じゃないか」 「アタシの体…見て?」 「はぁ?何言って、え!?」 そうだ、俺は何を寝ぼけてるんだ。 「ごめ゙ん…アタシ、ゾンビになっちゃったみ゙たい」 存美はもう2週間も前に死んだじゃないか。 「うん。頼れるの、○○ちゃんしかいなくて…きちゃった」 彼女の悲しげな笑顔を僕は一生忘れない。 醜くも美しい、悲しくも幸せな、たった一度の夏休み ZONBIE THE MOVIE "OSANANAJIMI" 今夏上映予定
546 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 02:56:31.09 ID:zYxz0zoS0 TV「まったく、馬鹿には勝てん」 月曜の夜の憂鬱を吹き飛ばそうと見ていたDVDは、ラストシーンで こんな台詞を吐いて幕を降ろした。 なにも、アニメにする必要は必要はないんじゃないのか?そんな疑問 をよそに妹は楽しんでいたらしく、真剣な眼差しでテレビを見つめて いる。 別に、この手の映画も嫌いじゃないが、押し寄せる眠気に負けてしま い、微妙に内容が解らないがよしとしよう。少なくとも、お互い「鑑 賞」・「睡眠」と有意義な時間を過ごすことが出来たんだからな。 妹「あ゛ー、面白かったね、お兄ちゃん゛」 兄「そうだな、久々に童心に返ってアニメを見るのも悪くないな。でも、 本当は”ハジキなんていらねぇ”って叫んじゃう悪役の出てくるような 、バリバリのアクションが見たかったんだけどな。」 妹「え゛ー、そっち゛の方がつまんないよ゛。でも、最後の二人が別れ るシーンがよかったよ゛ね。ところ゛で、お兄ちゃんは過去の゛作品だ と何が好きだった?」 あれ?最初は主人公とヒロインっぽいの戦ってなかったか。大体、恋愛 物だったけこの話。 兄「やっぱ、隣のトトロが一番だな。例えて言うなら、初めて新幹 線乗ったときの感動?ああいう子供心に残るあの感じがいいね」 妹「へー、そう゛なんだ。お兄ちゃんって意外と子供っぽいね」 兄「ばっ、あの主人公の姉妹みたいなピュアな心を、俺はいまだに持っ ているんだよ。おまえも、ああいう姉妹のように育っていれば、きっと そんな汚れた発想は出てこなかっただろうに・・・兄さん悲しいわ」 547 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 02:57:55.18 ID:zYxz0zoS0 妹「あ゛、もしかしてお兄ちゃんって、子供の心を持っていれば許される と思い込んでいる゛痛いロリコン?」 くっ、なんでそこがロリコンにつながるんだ 兄「ふっ、まぁそんな短絡思考しかできない子供は童話でも読んでなさい ってこった。ほら、こんなところにガリバー旅行記があるぞ。じゃあ、兄 さんが読んであげよう、それとも働く車のほうが良かったかな」 妹「お兄ちゃん。それ、わざと言ってるの?それとも本気?」 兄「はははっ、照れなくてもいいんだぞ。ほら、ガリバーが小人に捕ら われて、全身釘付けになってるぞ」 妹「だって、それって当時の情勢を皮肉った社会風刺だよ。知らないの」 兄「なっ、小人の国にいった御伽噺のどこが社会風刺だっつーの。漢字検 定7級をなめるなよ」 妹「はぁ、こんな゛に文章読めない思わなかった。もう゛いいよ、私寝るね」 兄「まて、違うんだって。ラピュタの原作もこれなんだぞ知ってたのか」 妹「知ってる゛よ、今更そんな゛こというのお兄ちゃんくらいだよ。じゃあ ね、おやすみ」 結局、どっちが子供対決は俺の完敗に終わった。脳漿腐りかけてる妹のに・・・ あれ?もしかして俺って、妹以下なのか?くそっ、いつか酷いことをしてやる。 具体的には思いつかないけど
552 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 03:15:06.52 ID:YQFufeTbO 社長「先日亡くなった秘書の丸山クンの件に関しては非常に残念としか言いようがない…」 秘書「そう゛ですね゛」 社長「生臭!…って丸山クン!?き…君、死んだはずじゃ…?」 秘書「未熟゛な若゛社長を゛遺して死゛ぬ゛に死゛に切れま゛せんでした」 社長「むぅ…複雑な気持ちだが、帰って来てくれて嬉しいぞ。じゃあ早速お茶でも」 秘書「どう゛ぞ」つ旦 社長「ん…。ってこれホルマリンじゃないかー!しかも君の指入ってるぞ」 秘書「て゜へ♪」 なんだこれ
556 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 03:46:18.21 ID:yT0MG7TZO 「……先輩」 「……気持ち悪いよね」 「そ、そんなことないっすよ!」 「ん、ありがと。……でもゾンビなんだよね」 「べ別に、ゾンビでもいいっすよ! 寧ろゾンビの方が可愛いっすよ! ゾンビの先輩の方が好きっすよ!」 「ん、そういうと思った。」 「……で、なんでゾンビに?」 「さあ? あたしもよく分かんないんだけど」 「だけど?」 「……たぶん、きみに合いたかったからからじゃないかな」 「そんなもんなんすかねぇ?」 「そんなもんなんじゃない?」 「そんなもんなんでしょうねぇ」 「そんなもんなんだろうね」 gdgdエンド
557 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 03:57:42.84 ID:2H3jMruU0 突然事故で死んだ妹 でもそんな妹と俺は暮らしている そう 妹はゾンビなのだ 見た目は普通の人間より肌の色が少し悪いだけ 体は・・・少し脆いけど・・・ 体が取れたときは俺がちゃんと直してやってる 明日はそんな妹の誕生日 俺は妹を遊園地に連れていってやろうと思っている 559 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 04:12:04.34 ID:2H3jMruU0 -翌日- 妹「おにーぢゃん"!起きてー朝だよー」 兄「ん・・・もう朝か・・・毎朝毎朝すまないな」 妹「謝る暇があ"ったら早く起き"てご飯食べてよぅ」 兄「あぁ すまない」 妹「だーかーら"ー早くご飯たべてよー」 毎日繰り返される朝の風景  少なくとも このとき俺はこの日常がこのまま続くものだと思っていた (さて、早くごはんだべなきゃな・・・) 兄「ご馳走様でした」 妹「お粗末さまでした"ぁ」 兄「ときに妹よ 今日は暇か?」 妹「暇だよー でも何でそんなこと聞くの"ォ?」 兄「ここに遊園地の入場券が2枚あるんだがいかないか?」 妹「えっ」 兄「今日はお前の誕生日だろ?いつも世話になってるんだ。   それくらいしてやらなきゃな」 妹「ワッー!お兄ちゃんありがとう!」 561 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 04:17:26.60 ID:2H3jMruU0 うれしそうな顔で俺に抱きつく妹 このときはまだあんなことになるなんて思いもしなかった 兄「ギャー!あんまりはしゃぐなッ!体が取れるだろうがッ!」   ブチッ ドグシャァッ  (あぁ〜あ 言わんこっちゃない・・・) 兄「だから言っただろうが あんまりはしゃぐなって・・・」 妹「だって"ぇ・・・」 兄「ほら。腕。くっつくけてやるからこっちにおいで   まったく、こんなんじゃせっかく遊園地に行っても楽しめないだろうが」 妹「ごめ"んておにーち"ゃん・・・」 ふと妹が見せた悲しそうな表情  もう妹はこの先に何が待っているか知っていたのかもしれない そのことに気づいたのはもっと後になってからだった  
570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 05:38:14.00 ID:2H3jMruU0 電車に乗り約20分 俺と妹は目的地の遊園地についた 兄「うわ 人多いな・・・」 妹「おにーち"ゃーん 早く早くっ!」 兄「ちょ はしゃぎ過ぎだって で、最初は何に乗るんだ?」 妹「ん〜 やっぱりメリーゴーランドかな"」 兄「うっへへへ まだまだガキだな お前も」 妹「何その笑い方 キモッ」 兄「スマン で、早く乗ってこいよ」 妹「う、うん おにーち"ゃんは乗んないの?」 兄「俺は乗らんさ。そこまでガキじゃない」 妹「そっか・・・」 ほら またあの表情だ 寂しそうな顔  そんな顔しないでくれよ 俺まで・・・ 兄「ほら さっさと乗ってこいって」 妹「うんっ!」 楽しそうに走る妹 このまま幸せな時間が続けばいいと思っていた でもそこにはいつまた妹がいなくなるかわからないと言う恐怖におびえてる俺がいた
578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 07:23:20.47 ID:aRDdM2mKO  キーンコーンカーンコーン…… 兄(むぅ…、弁当忘れた…。仕方ない、購買で買ってくるか) ワーッ キャー! ウハwwwktkrwwwww 兄「……やけに廊下が騒がしいな」 男「なぁ、何か臭くね?」 兄「ん? 言われてみれば……というか、この臭いはまさか…………」  ――ガラッ 妹「ぉに゙ー ちゃんお べん゙とー!」 兄「キャー! 存美は学校に…特に昼食の時に来ちゃ駄目――――!!!」  そして、教室はゲロの泉と化した…………
585 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 08:45:13.91 ID:574cCRty0 1998年 5月9日 夜、お兄ちゃんと、お兄ちゃんの友達のスティーブとポーカーをやった。 お兄ちゃん達、やたらついてたけど、きっとズルしたにちがいないわ。 お兄ちゃんたら私をばかにして。 (中略) 4 かゆい うま
607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 14:10:11.40 ID:rrR5oSfG0 か、勘違いしないでよね! 単に人肉が食べたかっただけなんだから! 別に、あんたに会いたくてゾンビになったわけじゃないんだからね!
611 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 15:06:38.84 ID:aRDdM2mKO 「ぉ に゙ぃぢゃ ん…… 苦じ いょ………」  僕は妹に、大丈夫だよ、と言った。 「い だぃょ…痛 い゙ょ ぉ… …」  僕は妹に、すぐ慣れるよ、と言った。 「ぉ に゙ぃぢ ゃん…、お にぃち ゃ ん゙………」  妹が僕を呼び続ける。  腐りきった身体の妹が身じろぐ、いや、うごめく。  妹が死んで1ヶ月、僕は唯一の肉親を失いたくない気持ちから、妹を"動く死体"として蘇らせた。  後悔などしていない、現に妹は不死者として僕の隣にいる。変わり果てた姿で。 「ぉに ぃぢゃん゙……」 「ん? 何だい?」  僕は笑う。   ―――殺して。  妹はそう言った。 「…僕が何をしようと、おまえは死なないよ」  そう、妹は死なない、死なせない、死なせるものか。  そう、簡単に死なせてたまるか。たったひとりの"家族"を。 「ずっと、一緒に居ような」  暗い部屋に、僕の笑い声だけが響く……………   END
636 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 19:04:00.06 ID:iJWtcgX/0 http://vipdeekaku.run.buttobi.net/cgi-bin/src/up2017.jpg 今日は兄が大学に行く日です。 兄「じゃ、行ってくるからな。いい子にしてろよ。 妹「あ゛いあい〜  バタン 妹「・・・ 妹「おに゛ぃがいない・・・ 妹「おに゛ぃ〜〜 どこ〜〜〜? 637 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 19:16:31.41 ID:NcR+M5CZ0 >>636 妹、脳が…(´;ω;`)ブワッ
638 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 19:25:01.99 ID:iJWtcgX/0 http://vipdeekaku.run.buttobi.net/cgi-bin/src/up2018.jpg バサッ 妹「おに゛ぃ〜 カパッ 妹「おに゛ぃ〜 妹「・・・うぇっ・・・ 妹「うぇぇぇぇ〜 おに゛ぃ〜・・・ 兄「ただいま〜 いい子にしてたか? 妹「うぇぇ〜おに゛ぃ〜 どこにいたの〜? 兄「大学。
643 :無゛駄に長い゛ぜ :2006/07/25(火) 20:07:39.72 ID:NcR+M5CZ0 …ズズ …ズルッ 「ん…?」 何かを引き摺る様な音が、ゆっくりと俺の部屋に近づいてくる。 俺は、黙って半開きになった部屋のドアを眺めていると、 やがて、音の主がドアの隙間から、その姿を現---さない。 その代わり、部屋のすぐ手前で「ぅ゛〜…」と小さくうめき声を漏らす。 そしてなにやらモゾモゾと蠢きつつ、さんざん迷ったようなうめき声が聞こえた挙句、 やっとドアの隙間から、白くほっそりとした腕が伸びてきて--- 「コンコンッ」 律儀に半開きのドアをノックした。 「…」 俺はひとつため息をつくと、椅子に座ったまま、部屋の外『彼女』に声をかけた。 そう、ドアの外にいるのはきっと、俺のよく知る--- 「どうしたの?---存美?」 ---かわいい妹、存美に違いないんだから。 すると妹---存美はドアの隙間からゆっくり、恐る恐るといった風に、 その愛らしい顔を半分だけ覗かせた。 ---が、こちらを窺うその顔の位置が、、、やたら低い。床ギリギリの位置だ。 まるで、床に這いつくばっているみたい…というか、みたいじゃなくて… 「お、お兄゛ちゃ〜ん゛…」 存美が、なんだか今にも泣き出しそうな表情で、俺に訴えかける。 「ま゛た足がとれ゛ちゃったょぅ゛〜;;」 644 :続きだお゛:2006/07/25(火) 20:11:03.98 ID:NcR+M5CZ0 そう、俺の妹---存美は、普通の人間とはちょっとだけ違う。 なんというか、まあわかりやすく一言で言ってしまうと、つまりゾンビだ。 1ヶ月ほど前に、存美はトラックに轢かれて死んでしまった。 だがその事故から少したったある晩、墓の下から存美はひょっこり家に帰ってきた。 事故の傷跡と、死後数日経っていたせいで、存美の体は所々--- 腐りかけてたり、 皮が剥げてたり、 内臓がはみ出ていたり他にも… …まあ、以前と少し違ってしまっていたが、俺にとってかわいい、 たった一人の妹である事に変わりはなく、早くに両親を亡くしていた俺たち兄妹は、 事故の前と変わらず、二人仲良くこの家で暮らし続けてる。 で、現在に至るわけだが--- 存美の体は、結構脆い。 あちこち腐りかけているためか、なにか強い力が加わったり、無理にひねったりすると、 腕なり足なり、ひどい時には首なんかが、こう---「ぶちっ」と…外れてしまう事がある。 まあ、しかし、さすがはゾンビというか、『そう』なっても存美本人は、 あまり痛がらない(少しは痛いらしい)し、 派手に血が飛び散る訳でもなく(赤黒いドロッとした物は若干飛び散るが) その都度、俺が外れた腕や足を、元通り縫い付けている。 おかげで針仕事は随分と得意になった。 647 :続きの゛続きだお…゛:2006/07/25(火) 20:17:06.03 ID:NcR+M5CZ0 「…ちゃん゛?ねえ、お兄ちゃん゛ってば」 おっと、つい物思い(というか設定の説明)に耽ってしまったようだ。 「ああ、悪い悪い。なんだっけ?そうそう、足が外れちゃったんだよな」 見ると存美は、少し膨れっ面でこちらを見上げている。 むむ、ちょっと機嫌損ねちゃったかな? 「よしよし。さ、いまくっ付けてやるからな。えーと、裁縫セットとタコ糸は…と」 しかし俺が椅子から立ち上がりかけた瞬間、存美はあわてて、 ちっちゃい手の平をブンブンと左右に振って見せた。 「あ゛、待って、お兄ちゃん゛。その前゛に…ちょっと…゛」 「ん?なんだ?お兄ちゃんの裁縫の腕前が心配か?」 「そ、そう゛じゃな゛くて…」 なんだろう? いつもは俺に腕とか縫ってもらうの、すごく嬉しがるくせに、 今回に限って、存美の様子が… なんだかモジモジして落ち着きがない。 心なしか、顔も少し赤い…ひょっとして、照れてる? いや、しかし、血流とか止まってるのに、顔が赤くなるってどうなんだろう… 「あ゛っ、あのね゛っ!お兄゛ちゃん!!゛わたし…」 648 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 20:17:28.57 ID:lZLj+mcOO 「おにい゙ちゃん…起きてる?」 時計の針は0時半を指していた。あいつがこんな時間に珍しいな。 「ん?どした?」 「ん…ぢょっと…」 「なんだよwとにかく部屋入れば?」 「うん゙…」 「…」 「…」 部屋に入ってからも何かよそよそしい感じでそわそわしている。 「どうしたんだよ。こんな時間に。怖い夢でもみたか?」 「ん…あの゙さ…その、ね゙」 「いやマジでどうした?どっか変になったのか?」 どう考えてもいつもと様子が違う。まさか身体に異変が出始めたんじゃ… 「ち、違うの゙!その…お、おにい゙ちゃん裸見た事ある゙!?」
650 :>>649うお、すまん。すぐ済ます :2006/07/25(火) 20:22:28.53 ID:NcR+M5CZ0 「あ゛っ、あのね゛っ!お兄゛ちゃん!!゛」 「お、おう」 なにか勢い付けて突然切り出す存美。なんなんだ? 「わ゛、わたしって……゛か、かわい゛い…かな?゛゛」 顔を真っ赤にしながら、半分泣き出しそうな表情で、訊いてきた。 何を今更、わかりきった事を。そんなの当然--- 「かわいいよ、存美」 「じゃ、じゃあ゛…」 今度は必死に訴えかけるような表情に。表情筋とか…その辺もどうなってるのかな… 「わ゛、わ゛わ、私のこと……………好き?///」 「…好きだよ。どうしたんだ?急に」 俺はパソコン机の椅子から立ち上がりかけのままの姿勢。 片や存美は部屋の入り口から顔だけこちらに見せてるだけ。 なんなんだろう?この距離感は。 651 :誤字とか、堪忍な゛:2006/07/25(火) 20:26:35.48 ID:NcR+M5CZ0 さっきから俺が近づこうとすると、手をぶんぶん振って制止してくるし。 俺が存美の事、どれだけ好きか。大切に思ってるか。 それが急に心配になったと言うのなら、 俺はいますぐそっちに行って抱きしめてやってもいいんだぞ…? 「じゃあ゛!さ、最後にも゛うひとつだけ…っ」 痺れを切らして、存美の元へ歩を進めようとした俺を、またもや手で制すると、 上目遣いに、こちらの表情を窺うように訊いてきた。 「わ゛たしの、カラダの事も゛…好き…? …かな゛」 …なんだ。それを気にしてたのか。 自分の体が腐りかけだからとか、 脳みそが見えてたり、腸がはみ出してるとか… それこそ、まったくお前は。一体、今まで俺の言葉の何を聞いてきたんだか。 でも何遍も『好き』なんて言うのも、相手が妹とは言え、さすがに恥ずかしい。 うん、一度しか言わないからな!よーく聞いとけよ! 「いいか存美。俺は---」 ここで区切って大きく息を吸い込み 「俺は、存美の、体も、中身も、全部含めて大っっっ好きだ!」 一息で言い切る。 さすがに俺も顔が赤くなってる気がする。いや、いいんだよ。この際。 存美の不安が、これで拭えるんだから。 652 :これ実は半端なとこで終わる゛んだ :2006/07/25(火) 20:31:58.54 ID:NcR+M5CZ0 「さ、じゃあ足くっ付けちゃうから。取れた足と傷口、見せてみ?」 「う゛ん…あ゛りがとう゛〜 …ぐすっ」 存美の奴、涙ぐんでやがる。 ふん、俺だってちょっと恥ずかしかったんだから!その位の反応、あって当然よ!ξ゚听)ξ でもまあ、これでもういいだろうと、俺はゆっくり、存美に歩み寄る。 「それ゛でね、…ぐすっ…脚が取れ゛ちゃったの゛…」 「うん」 それはさっき聞いた。 「スンスン…左゛脚…なの゛…ぐすすっ」 「うん」 右か左かは、まだ聞いてなかった、かな? 「ぐすっ…大腿のね゛、付け根あ゛たりから、こう゛…ぷちっ♪…って…ぐすん」 「うん      …ん?」 大腿の…付け根?ぷちっ♪っと? えーと、大腿ってドコだ?太ももだから…足首より上、膝よりも北上して… 付け根って言うと、だから… 653 :これで終わり゛:2006/07/25(火) 20:37:09.58 ID:NcR+M5CZ0 俺が必死に状況を把握せんと、脳をフル稼働させていると、 存美が、手に何かを持って、おずおずと俺に差し出してきた。 「お゛兄ちゃんにね゛…」 存美が、恐る恐る献上してきた『ソレ』は--- ちまっとした指がついた足が、ほっそりした足首に繋がってて… そこからスラッとした脛部が、くりっとした膝小僧まで伸びていて… さらにそこから、スベスベッとした太ももが、大胆にも丸ごと露わになっていた。 「うん…うん? …えーーと…」 目にいっぱいの涙を蓄えながら、 上目遣いで、 ちょっとはにかんだ笑顔を見せつつ、 存美は、悪魔のごとき囁きを、容赦なく俺の耳へと注いぐ。 「お゛兄ちゃん゛に…直して欲しいの゛…」 「うん…   …え゛?」 おや、きみ、川へはっちゃいけないったら
663 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 21:15:51.02 ID:TN881emM0 妹「今日は私がご飯作る〜♪」   〜1時間後〜 兄「今日の晩飯はカレーか」 兄「やった俺の皿に大きい肉が入っている!!」 いただきま〜す パクッ 妹「お兄ちゃん〜私の肝臓知らない?カレー作ってるときどこか落っこちちゃったの」 兄「・・・・・・・まさかね・・・・・」 パクパク
667 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 21:37:19.84 ID:TN881emM0 妹「だ〜れだ?」 兄「うぉうゎ」 妹「だーれだ?」 兄「え〜とその声は妹!!」 妹「正解wwwwえへへwwwwじゃあ下の部屋に行くね〜」 兄「・・・・・本当はにおいでわかったんだけどなw」
671 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 21:50:07.01 ID:TN881emM0 妹「あぁお兄ちゃんだめだよそんなとこきたないよ」 妹「あ・・・・だめだってばぁ・・・・・」 妹「そんなところで指を動かしちゃあああらめぇぇぇぇ」 兄「小腸入れているのにうるさいぞお前」
675 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 22:04:22.97 ID:aRDdM2mKO 妹「美白!」 兄「そりゃ白いわな、そこは骨だし…」
676 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 22:07:54.56 ID:TN881emM0 兄「いやはや今日は暑いな〜こんな暑い日はアイスがたべたいな〜」 妹「私゛もた゛へ゛た゛い〜」 兄「アイスの前にお前が溶けそうだな・・・・・・」
677 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 22:12:47.61 ID:TN881emM0 兄「俺のターン 死者蘇生!!このカードで妹を人間に戻すぜ!!」                     ボンッ!!                  妹は人間に戻った 妹「お兄ちゃん私人間に戻れたよ!!」 俺「という夢を見た」 妹「夢かよ!!」
679 :遊園地の続き :2006/07/25(火) 22:22:55.55 ID:zlkKPndI0 兄「時に妹よ。今までずっとメリーゴーランドに乗っていたのか?」 妹「そーだけどー」 兄「・・・」 妹「次はアレに乗ろっか!」 妹はそう言ってゴーカートのほうを指でさしている 兄「おいおい あんな激しいのに乗って大丈夫なのかよ?」 妹「大丈夫っ だってお兄ちゃんが付いてるもん」 兄「そうですか・・・」 俺はため息を付きつつ楽しそうに俺の手を引っ張る妹についていく 680 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 22:29:57.09 ID:zlkKPndI0 ゴーカート・・・ あんな事故にあったのだから車に乗るのは怖がると思っていたのだけれど そんなことはないみたいだな・・・ 兄「結構人が並んでるなぁ」 妹「そう"だねー」 (今日はそこそこ日差しも強い 倒れたりしなければいいのだが) 妹「お兄ちゃん?大丈夫?顔色あんまり良くないよ」 兄「あぁ お前だけには言われたくないけどな ハハッ」 妹「あ"−う"− お兄ちゃんのいぢわるぅ」 そうこうしているうちに俺たちの番がまわってきた 悩んだ挙句俺たちは二人乗りのゴーカートに乗ることにした 681 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 22:37:28.08 ID:zlkKPndI0 運転席に乗る妹 助手席に乗る俺 妹は大きく深呼吸すると一気にアクセルを全開にした 妹「イヤッハー!!!」 兄「ずいぶん楽しそうだな でも、あんまりはしゃぐなよ」 妹「わかってるって だいじょうぶだよー」 そこで差し掛かるヘアピンカーブ  カーブを果敢に攻める妹 ハンドルを思いっきりきったそのとき  ゴリゴリッ ブチッ              妹の腕が取れた そこで俺は車といったん止めさせ 妹と運転を代わった 兄「だから言っただろうが 仕方がないな 本当に・・・」 妹「エヘヘ・・・」 ほほをかきながら照れる妹 そのしぐさがまたなんともいえない 683 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 22:51:01.51 ID:zlkKPndI0 ゴーカートを乗り終えた俺たちは急いで人目の付かないところに隠れた 兄「だから気をつけろっていったのに   ホラ 早く脱げよ 腕がつけれないだろ」 妹「う"−」 針とテグスで妹の腕を縫い付けていく もうこんなことにも慣れてしまった 兄「お前のためにやってやってるんじゃないからな   お前がいなきゃ俺は・・・」 妹「ん?何?何だって?最後のほうが良く聞こえなかったんだけど・・・」 兄「なっ なんでもないさ ほら終わったぞ   で、次は何に乗るんだ?」 妹「ん〜 ジェットコースター」 兄「却下 さっきよりもひどいことになるぞ」 妹「じゃぁ コーヒーカップは?」 兄「それも却下。お前の首が飛びかねない」 妹「え"ぇ− じゃぁ・・・観覧車!」 兄「ん〜まぁ それならいいだろう」 (本当は高いところ苦手なんだけどな 俺) 684 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 22:56:48.86 ID:zlkKPndI0 兄「いやー さすが休日だな 人がたくさんだ」 妹「そうだ・・ね・・」 そういいかけた妹はふらりとよろめいた 兄「おい!大丈夫か!」 倒れかけた妹を支えてやる俺 妹「うん・・・大丈夫だよ ちょっと貧血気味なだけ・・・   そんな悲しい顔しないで。あたしまで悲しくなっちゃうから」 貧血?一回死んだ妹にそんなものがあるのか?と疑問を感じつつ俺は ふらつく妹を支え観覧車に乗った 685 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 23:07:53.32 ID:zlkKPndI0 兄「どうだ?だいぶおちついだだろ?」 妹「うん・・・だいじょう・・ぶ・・・」 そういって妹は体を起こそうとする 兄「無理するなよ」 妹「大丈夫 ただ・・・」 兄「ただ なんだ?」 妹「お兄ち"ゃんのそばにい"たいだけ・・・」 そういって妹は俺の隣に座り 俺のひざの上にあたまを乗せた 妹「お兄ちゃんのひざ・・・あったかい」 今の妹は  なんだか今にも消えてしまいそうだ そう思った俺は急に妹の体を起こしきつく抱きしめた 妹「そんな"ことしたら 体 壊れちゃうよ・・・」 686 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 23:16:09.56 ID:zlkKPndI0 兄「なんだかお前が今にも消えてしまいそうだったから・・・」 妹「そんなこと絶対にしない"よ 第一あたしはお"兄ちゃんを悲   しませるような"ことは絶対にし"ない」 そろそろ観覧車の一番高いところだ ちょうどてっぺんまで来たころだった 妹の体に異変が起きたのは 急に妹はぶるぶる震え始めた 兄「大丈夫か!?おい!」 妹「だいじょ・・・うぶ・・・ あたしはど・・こにも・・・   い・・か な・・・・」 そういいかけた妹の体は震えるのをやめた そして 妹は眠るように 深い深い眠りに付くように 呼吸をやめた 689 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 23:26:48.80 ID:zlkKPndI0 そのあとどうやって家に帰ったかはわからない そこにあるのはただ 息をせず 静かに横たわる妹だけ 「また ひとりぼっちか・・・」 すごく悲しい これからも一緒にいられると思っていた 「なんか 俺 捨て猫みたいだな・・・」 これからどうしたらいいのだろう 『妹ともう一緒にいられない』その思いだけが俺の胸を締め付けた 苦しい・・・苦しい・・・ あれからどれだけの時がたったのだろう もう朝日が昇っている・・・小鳥も鳴いている・・・ 長い時のなか 俺はある答えに達した 「このまま妹と一緒に暮らそう」 そうしたらまた目が覚めるかもしれない また元気な声で俺を読んでくれるかもしれない あの楽しくて幸せな日々が戻ってくるかもしれない その一つの たった一つの希望の光だけが 俺を照らしていた・・・ 「おにーち"ゃん」
694 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 23:42:36.66 ID:zYxz0zoS0 ここで空気を読まない俺がゾンビエロシーンを書くと、 こんなんになるんだぜ? 兄「だから、それは無理なんだって言ってるだろ。大体、 感染症のリスクが高すぎる」 後輩「えーっ、そんなぁ。口でも駄目なんですか、先輩。 ちゃんと、した後アルコールで消毒するから大丈夫ですよ」 兄「お前は大丈夫でも、俺が大丈夫じゃないだろ。そんなこ として、マニアックなプレイにはまったらどうする。お前じ ゃ、責任とれないだろ」 後輩「じゃあ、じゃあ手コキでいいですから〜。ちゃんと手 袋もしますから。後生ですからお願いします、もう死んでま すけど」 兄「ほう、じゃあお前はその業務用食品衛生手袋で、俺をレ イプするつもりなんだな。はっ、お前ごときに負けるような 俺じゃ・・・アーッ」 続きをを読むにはワッ(ry
697 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/25(火) 23:55:59.35 ID:iJWtcgX/0 http://vipdeekaku.run.buttobi.net/cgi-bin/src/up2024.jpg 風呂場の掃除をする兄と妹だ。 妹「ふきふき・・・ あ、あっちがよごれてる。 テケテケ・・・ ボトボトボト! 妹「ふきふき・・・ あ、こっちもよごれてる。 テケテケ・・・ ボトボトボト! 以下エンドレス。
708 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 00:42:45.75 ID:ZWWo4IrfO http://kjm.kir.jp/?p=33694 「……お にいちゃん゙、こん゙ な私でも゙… ……抱いてく れ゙ます…か?」 近親相姦+死姦の二冠王になるな。 俺は抱ける。
741 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 02:46:15.40 ID:ZRsTRk1U0 その日は、いや、正確に言えばその日も雨だった。 どうやら俺は極度の雨男らしい。しかも雨の日は大抵ろくな事が ないというおまけつきだから素晴らしい。 あの日は特にひどい雨だった。俺は一人雨の中を歩いていた・・・ 「・・・ちくしょう。よし○みの天気予報なんか信じるべきじゃなかった・・・」 なんて言ってももう遅い。急に降り出した雨は止む気配もない。 傘も何もない俺は諦めてのんびり歩いていた。 雨の音に混じってぺちゃりぺちゃりという音が後ろから聞こえる。 まるで人が裸足で歩いているような。 “・・・こんな雨だってのに、子供は元気だよな、まったく・・・” そう、俺はどうやら耳まで悪かったみたいだ・・・ その音が子供のものでないことに気づいたのは家も近くなってからだった。 “おかしいな・・・後ろの子供、さっきからずっとついて来てる・・・ もしかして、近所の子かな?” 742 :書くの遅くてごめん :2006/07/26(水) 03:01:06.41 ID:ZRsTRk1U0 そう思って振り返った瞬間俺が見たものは 女性だった。 その女性はなぜか裸足だった。どうやら足音はこの女性のものだったらしい。 “・・・なんだこの人・・・?こんな雨の中裸足で・・・” 「あの・・・」 俺が言葉を発した瞬間だった。 その女性の体の異変に気づいたのは。俺は眼まで悪かったのだ。 目の前の女性の体は異様なほど白く、腕が千切れかけ、腹から腸が ぶら下がっていた。 「なッ!?こっ、これは・・・どうしたんですか!?今すぐきゅうk・・・」 『あ、い、いえ、いいんです!!大丈夫ですから!!』 “なんだと・・・今、大丈夫、と言った・・・そんなバカな・・・” 「大丈夫なわけないでしょう!!とにかく今・・・!」 すると突然女性は俺の手をとり、手首に触れさせた。 冷たい。 生きている人間ではありえないような冷たさだった。 しかもよく確認してみると脈までない。 こんなところでリアルブチャと遭遇してしまったのだろうか。 『私・・・俗に言うゾンビってやつなんです』 これだから雨の日は嫌なんだ・・・ 747 :なんか先が見えないので終わるw :2006/07/26(水) 03:32:17.65 ID:ZRsTRk1U0 “そんなバカな”この言葉しか浮かんでこない。 しかし俺の部屋にいるのは紛れもなく人間ではない。 夢でも幻覚でも敵スタンドの攻撃でもない。 こうなったら当たって砕けるのみだ。幸い会話は通じるようだしな。 俺はコーヒーを2杯持って行きこう尋ねた。 「あんたは何でそうなったんだ?何で俺について来た?」 『あ、その前にクリームと砂糖下さい』 「・・・無いからブラックで我慢して」(なんつーマイペースな・・・) 『・・・チッ・・・あっ、で私のことでしたよね?』 「・・・とにかく話せることは全て話してもらえると助かる」 『ええ・・・じゃあ・・・・・・』 ・・・・・・・嘘だろ。何で俺はこんなヘヴィな話に巻き込まれたんだ? 彼女から聞き出せたのは雪沢存美と言う名前と生前の記憶もろもろ、 そして彼女はこの部屋の以前の住人で半年前に殺されたということだった。 そして彼女が言うには、 『今更犯人を見つけて復讐しようとは思わないけど住む所がないのは困る』 ということだった。結局なんでゾンビになったかはわからずじまい。 『あなたが困っている女性を追い出す様な人でない事を祈るわ』 この一言で俺の運命は決まってしまった。 こうして俺の人生も変わった。 教員を目指していたはずがいつの間にか医者になってしまった。 ブラ○クジャ○クを読んでいた経験が生きることになろうとは思いもしなかったが。 そして今日もまた俺は針と糸を手にしている。 『今日はちょっと派手な色の糸でお願いね』 ホントわがままでマイペースだな・・・まあでも 悪くない生活だ。妻の手やら足やらつなぐ夫なんてそうそういないだろうしな。 「じゃあ今日は赤と黄色、足のほうは水色で」 いつの日からか、俺は晴れ男になっていた。
755 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 04:43:51.54 ID:JTQXiS/90 男「先輩……さっきから飲みすぎですよ……」 女「気にすんな。体内アルコール消毒だから」 男「ああ、煙草も……吸いすぎると健康に悪いですから、少しは自制しないと」 女「馬鹿いうなよ。ゾンビが肺ガンになるとでも思ってんのか?」 男「そりゃ……思ってませんけど」 女「だろ? てなわけであたしは勝手にやっとくから、こっちの事は気にしないでくれ」 男「……」 女「くあーっ、今日も酒が旨いなあ! ゾンビはいいな! 急性アル中の心配なく酒飲めるんだもんな!」 男「先輩」 女「なんだ?」 男「僕は先輩に部屋を片付けるのを手伝ってくれって頼まれたからここに居るんですよ」 女「……そうだっけ?」 男「そうだっけじゃないですよ! 何で僕1人でやってるんですか! 少しは先輩も手伝ってください!」 女「馬鹿言え。折角の休日に掃除なんかしてあたしが過労死したらどーすんだ」 男「……」
764 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 07:49:42.45 ID:PwUpyIuQO 男「おはよう〜」 姉「おはよう゛、朝ご飯出来てるからね」 妹「今日は私もがん゛ばったん゛だよ」 男「それは楽しみだなぁ。どれどれ、焼き魚にお味噌汁か。美味しそうだね」 妹「でしょでしょ!食べてみて〜」 男「それじゃ、いただきます」 妹「…どう゛かな?」 男「おいしいよ、すごく」 妹「やったぁ゛」 姉「よかったわね。まさに身を削った甲斐があ゛ったわ」 男「ブッ!(吹いた」 妹「お゛、お゛姉ちゃん゛!体入れちゃったの?」 姉「ふふ、冗談よ。二人ともおもしろいわね」
774 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 10:12:27.81 ID:Khx9UHB60 ※まとめサイトのTOP絵に惚れたので文章を初投下するお 小さい頃に両親を亡くした私は、お兄ちゃんと二人暮しだった。 病弱ですぐに寝込む私を、お兄ちゃんは嫌な顔一つせずに、看病してくれた。 体の調子が良くて、お兄ちゃんと二人で外に出かけたその日。 家に帰る途中で、私は車にはねられた。 大きな音がして、目の前に雲ひとつ無い青空が見えて、それから真っ暗になった。 それから先の事は覚えてない。 気が付くと私は、人気の無い夜の道を歩いていた。 時折出会う野良犬や野良猫は、私を見るなり大急ぎで逃げ出す。 とぼとぼと、私は自分の家の前まで歩いてきてドアのベルを鳴らした。 なんだろう?体中傷だらけなのに、あんまり痛くない。 そんな事を考えていると、ドアが開いた。 「どちらさまで・・・ッ!?」 「ただいま、お兄ちゃん・・・」 お兄ちゃんは私を見ると、一瞬怯えた表情になった。 けれど、すぐに微笑んで、私を抱き締めた。 「・・・おかえり・・・・」 久しぶりのお兄ちゃんの体温は、とても暖かかった。
778 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 10:56:21.02 ID:VU6/cXwg0 兄「・・・というわけで、スーパーの野菜コロッケとメンチカツをこっそり入れ替 えてやったわけだ。これが俺のささやかな社会への反抗の始まりなんだよ」 過酷な労働(授業)の間に挟まれるひと時に潤いを与えようと、自伝「テロと 私」より一節を聞かせてみれば、会場の観客は死人のような濁った瞳で俺 を見つめていた。 同級生「へー、そうなんだ。でも、一個ずつ入れ替えてったなんて頭悪いよ ね。値札を入れ替えればいいのに、もしかして頭腐ってる?」 兄「わかってないな、あの緊張感が俺に生を与えてくれるんだよ。ほら、そ んな死んだ魚みたいな目をしてないで、もっと素直に笑っていいんだぞ」 同級生「私もう死んでるし。あいにく目が濁ってるのもいつものことなんだよ ね。もしかして、わざとい言ってる」 兄「ああ、そうだったな。でも相変わらずいい性格してるな、性根が腐って るを身で体現してるもんな、えらいぞ」 同級生「生きてるうちから腐ってるあんたよりましでしょ。ほら、夏休みの読 書感想文の本を、webから引っ張ってきやすいように選ぶところとか」 くそ、なんで俺のトップシークレットをこいつが知ってるんだ。もしかして、 目玉はずして、それで俺を盗撮でもしてたのか。 兄「はっ、まぁいい。そのくず餅みたいな眼球をいつか、少女のような潤ん だ目変えてやるからな、覚えてろよ」 同級生「はいはい、そろそろ席に戻んなさいよ」 そういうと、同級生はとっとと自分の席へ戻っていった。あいつも、あの腐っ た性格と腐臭さえなければ、普通の女の子なのになぁ・・・・
788 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 11:34:46.24 ID:vOX3qrvl0 ピンポーン 俺の部屋のチャイムが鳴る 「作りすぎちゃったんで 良かったら食べてください  べ、べつにあなたのために作ったんじゃないんだからねっ  作りすぎちゃっただけなんだからね」 俺の部屋の隣に住んでいる女性だ 彼女はそこそこ美人なんだが 普通の人とは違うところがある 彼女はゾンビなのだ あの暑い夏の日 彼女は俺の目の前で車にはねられてしまった 俺と彼女はそんなに交流があったわけではなかったが とてもショックだった 隣の部屋が静かになったと思っていたところだった 隣の部屋で料理を作る音がする 彼女はもういないはず・・・ 最初こそは驚いたが今はもう普通である
793 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 12:29:22.59 ID:k4F1Ac4IO ―これは、あの研究所が破壊され、火を放たれるずっとずっと前のお話― 「おかえり、存美」 「あ、た、ただい゛ま…」 夜の散歩から帰った私を…この体の『兄』が出迎えてくれた。 「ずっと家にこもりっぱなしでつまんなかっただろ。どうだった?気分転換になったか?」 「う、うん゛。楽しかったよ゛」 「それは良かった。ただ人に見つかるなよ。じゃあ俺は明日も仕事だから寝るからな。おやすみ」 「う゛ん…おやすみ、おにい゛ちゃん」 794 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 12:46:16.60 ID:k4F1Ac4IO これから私は深夜までの長い時間を持て余す事になる。少し過去を反芻することにしよう… 私はとある研究所の所員だった者だ。才能はあるものの、大学や他の研究所では認められなかった者達が集まり作った研究所だった 簡単に言うと、非倫理的、非人道的、非科学的、危険的思考の持ち主達。 私は輪講で魂についての発表ばかりしていた為に大学を追い出され…この研究所にたどりついた 「あいつ」と会った時の事は今も鮮明に覚えている 「ようこそ藤美さん、僕は繋(つなぐ)という者です。一応ここの代表です」 「あ…は、はじめまして…」 「あいつ」はニヤリと蛇のように微笑み自分専用の研究室に戻っていった そこは繋本人しか入れず何が起こっているか誰も知らなかったのだが 後に私はそこで地獄を見る事になる。 795 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 12:58:18.46 ID:k4F1Ac4IO 「何ボーッとしてんだ?大丈夫か?」 「え゛っあっお、おにい゛ちゃん!?」 窓に目をやるとすでに外は明るかった。車が行き交う音もする 「ご、ごめん゛…すぐ朝ご飯の゛支度するから!」 「手伝うよ、まだちゃんと指動かないんだろ?包丁仕事は俺がやるよ」 朝食を作りながら、彼に本当の事を伝えるべきか考えていた 「あなたの妹の死体に入っているのは、赤の他人です」と 言えるわけがない。だがいつまでもこうしているのも無理だろう。 何より初めて彼に会った時、彼は涙を流して私に抱き付いていつまでもいつまでも泣き続けた。妹が帰って来たと思い込んで そこで思わず、こう言ってしまったのだ 「ただい゛ま。おにい゛ちゃん」 と 799 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 13:13:33.81 ID:k4F1Ac4IO 「じゃあ仕事行ってくるな。外出だけはするなよ」 「いってら゛っしゃい。おにい゛ちゃん」 何故、あの時装ってしまったんだろう。彼をより悲しませるだけだというのはわかりきっていた筈なのに …それもこれも「あいつ」に関わった報いなのか 所員達の話によると「あいつ」はこの研究所の支援者でもある富豪の息子らしい。成績も常にトップで、ある大学の医学部に入ったものの重大なミスを犯し追放されたのだそうだ 私は何かひっかかりどんなミスなのか調べはじめたが、すでにもみ消されていてどこにも記録は残ってなかった 「大学のコンピュータに侵入しても記録はない、か…」 「最近僕の過去を嗅ぎまわってるようですね、藤美さん」 「!?繋さん!これは…その…」 「知りたいですか?」 「え…」 「教えてあげますよ」 私はクロロホルムをかがされ、意識は深淵の闇に墜ちていった 803 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 13:28:21.18 ID:k4F1Ac4IO …ここは…どこだろう……研究所の中のようだけど見覚えがない… はっと気がつく、研究所で一般所員が入れないのは繋の研究室だけだ! 「ひっ!」 辺りを見回すとそこはおぞましい物が蠢いていた 天井まで積み上げられている瓶の中には、人の体の一部だった 尋常じゃないのはそのどれもが「動いている」! 「これらは全部生きている。ES細胞は知っているね?全能性を持つ『体のどの部分にもなれる』細胞だ。これを使えば『手だけ』『足だけ』『首だけ』の人間が作れるんだ。素晴らしいだろう?」 手術服を纏った繋が言う 「だがまだこの研究は非倫理的だとか言われて行う事が出来ない。非倫理的?何だそのクソみたいな考えは。首だけで生まれた人間なんてどうなってもいいだろう」 なんて事を考えているんだこの男は!人間の考える事じゃない! 「わ、私に何を゛する気…」 え? 「もう終わっているよ、こんにちは。『存美さん』」 810 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 13:45:03.49 ID:k4F1Ac4IO 「う゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「これが僕が大学でやった事、『脳移植』だ。もちろん故意にやったんだけど父さんがかばってくれてね」 私の知らない手、私の知らない髪、私の知らない体、私の知らない声、 「ES細胞の研究がくだらない倫理観で進まない間にも死ぬ人間がいるんだ。それこそくだらないと思わないか?研究が進めば…癌に侵された父さんだって死ななくてすむはずなんだ」 繋の話なんてどうでも良かった。『存美』、聞き覚えがある 交通事故で死亡した後、素体としてここに運びこまれた女の子― 「前は生体同士でやったんだけどあなたの体が生きてるんじゃ意味ないからね、あなたの脳は死体に入ってもらった。明日には君の通夜をあげるよ。さようなら、藤美さん」 私は身動きを封じられ、隣りの山奥に捨てられた 820 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 14:10:51.99 ID:k4F1Ac4IO 私には存美さんの家しか行く場所がなかった。住所は資料で知っていた おそらく家族に「このバケモノめ!」と言われ追い返されるだろうと思っていたが、彼女の家に向かった。 出迎えてくれた兄は 私を妹だと思い泣きながら抱き締めてくれた 記憶をほとんど失ってしまったという事にして、『兄』と暮らして行く事に決めた。 いつまでも続かないのはわかっている。それでも、この人が少しでも幸せでいてくれたら、私がこの体に入った意味はきっとあったんだと思う。 今日も私は夜を歩き、『兄』は昼を働いている 822 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 14:16:30.96 ID:k4F1Ac4IO はいはい、最後やっつけやっつけ。 >>816 かがされる時は人間。目覚めたら死体。 存美の死体(新鮮)は13歳。しかも美少女。内臓とか出ちゃってるけどやりたい人多数。 でも死体じゃなあ…→繋「生きてる死体ならどうだ」 中身が藤美の存美の死体。はためには存美が生きてるように見える。 内臓出ちゃってるけど。 ひゃっほーこれならやれるぜー とかどうだ
妹「わーい動物園だ〜♪」 兄「動物園くらいでそんなにはしゃぐなよww」 妹「だって初めて来たんだもん♪」 兄「ふ〜ん」 妹「あ!!ほらお兄ちゃん見て見て!ライオンさんだよ!!」 兄「そんなに折に手を伸ばすなよ腕もって行かれちゃうぞww」            ブチィ!!! 兄「・・・・・・・・・・・・え!?」 妹「うえ〜ん腕もってかれた〜」 兄「あの腕どうやって持って帰るんだ?」 そのあと係員に頼んで腕はとってもらいました 係員はビビッていたけどたぶん大丈夫でしょう
857 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 19:44:07.71 ID:Khx9UHB60 「ろけっとぱーんち!」 「いてぇ!?」 PCを弄っている俺に、妹が「遊べ!」とせがんできた。 そんな気分じゃなかったので軽くあしらっていたら、左腕をもいで投げつけてきやがった。 「キャハハハハハ!大当たりぃ〜。」 「痛ぅ・・・・直すの大変なんだから、あんまり体をおもちゃにするなよ・・・」 「じゃー遊んでよ」 「断る」 「むう〜」 膨れっ面の妹を後ろに、修繕用の針と糸を取りに行こうと立ち上がる俺。 が、その時だ。 「なによぅ!お兄ちゃんのバカぁ!くらえ、ブレストおっぱい!」 「ぎゃ!アホ、乳をもぐな!」 今日の妹の修繕は時間が掛かりそうだ・・・。
877 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/26(水) 22:11:34.04 ID:CtHQtBh30 『いつもごめんねーなんか縫ってもらってばっかりで・・・』 「そう思うんならもうちょっとおとなしくしてくださいよ・・・  スティッキーフィンガーズ!なんてやってないで!」 『ごめんごめん。なんかやってみたくなっちゃった』 「まったくもう・・・はい、できましたよ」 『ありがと』 (JOJO読ませるのは危ないな・・・どこかに隠したほうがいいかも・・・) 『きゃーっ!』 「!?どうし・・・ 『何でこんなとこに洗濯用のロープがあるのよ〜』 「今度はツェペリさんみたいになってるorz」 ついさっき1部読んだので。燃え尽きるほどニート!!
884 :怠け ◆AnCRuIzuDs :2006/07/26(水) 23:06:40.44 ID:4eH9wROA0 「ボクの事が? そうですか」  放課後――後輩の女子を裏庭に呼び出して好きだと告白したら、こんなリアクションをされた。  「なんでまた」  と理由を訊かれ、 「一目惚れ的な感じで」  と答える。  自分でも『的』だ『感じ』だと煮え切らない口説き文句だな、と思いながらも、こういう言い方になってしまった。 「どこらへんに『惚れた』んですか? 」 「ぜ、全部かな? 」 何だか妙に食いついてくる。 「……ハテナマーク付いてませんか? 」  不味い。好きになった本当の理由を見抜かれたか。 「その、ほら、性格とか」 「ボクと先輩、話した事も無かったですよね?」  言えるわけが無い。なんとしても誤魔化し切らねば。 「評判を聞いてさ、友達から一年に可愛いコがいるって」  これでどうだ――と思ったのもつかの間、彼女はニィ、と歪んだ笑みを返してきた。 「ボクの評判ですか? 自分で知っている限りじゃ『ゾンビ女』だの『化け物』だの、ろくなのが無かった筈なんですが」  自 爆 し た 。  後輩の言は正解である。 何せ彼女は――――正真正銘のゾンビなのだから。  事の始まりは彼女の入学直後。  下校途中に友人を庇って事故に遭い、彼女は死んだ。  内臓をやられた事に因るショック死。  その数時間後に、彼女は目覚めた……らしい。  何とも歯切れが悪いが、噂がソースなのだから仕方ない。  何せ彼女は、一切を語らないのだから。  では何故、俺は彼女がゾンビであると断言出来たのか?そして、なぜそんなコに俺は告白したのか?  答えはとても単純だった。 「ネクロフィリア」
886 :怠け ◆AnCRuIzuDs :2006/07/26(水) 23:12:08.49 ID:4eH9wROA0  そう呟いた。                                  彼 女 が 。 「…………え? 」  声が裏返った。まさか、バレていたなんて。  頭が真っ白になっている俺に、侮蔑とも嘲笑ともつかない調子で彼女は続ける。 「知ってるんですよ。先輩がそうだって事。だーかーら、ボクが冗談抜きのゾンビだってわかったんですよねぇ?」  そうだ。その通りだ。  朝から昼はグロ画像やグロ動画を検索して、放課後は動物の死体を見つけたら持ち帰って剥製にし、事故や殺人現場には少しでも死体が見られないものかと真っ先に駆けつけて、  夜は死体そっくりに飾り立てたマネキンを眺め、ベッドの中では『どうして俺は人間の男なんだ?女でゾンビだったら、誰にも迷惑を掛けずに幸福を堪能出来るのに』と悩み苦しむ――そんな毎日を送る、そんな男なのだ。  しかし―――― 「ふふ、どうしてわかった? って顔してますね。確かに先輩は、表面的には至極まっとうな高校生してますよ? 先輩がそんなだなんて話は、誰からも聞いたことありませんし」  その筈だ、俺は自分の性癖が露呈しない様、常日頃から心を砕いてきた。それが、何故見抜かれた? 「じゃあ、どうして」 「目です」 「……目? 」  彼女は、まるで白蝋病を思わせる白く細い指で自身の眼を指して、 「人間じゃなくなってから、医者も警察も――友達や親までボクを気味悪そうな目で見るのに、先輩の目だけが違ったんです。……恋、してる眼でした」 「は……ははっ…………」  思わず笑いがこみ上げてきた。そうか、上手く隠し通していたつもりが、彼女には最初から見抜かれていたのか。  俺が隠していたのは表層だけで、深層たる感情は剥き出しだったわけか。 「で、先輩はボクをどうしたいんですか?」  乾いた笑いを続けていた俺に、彼女は意図を汲みがたい質問を投げてきた。 「どうって言うより、付き合いたい」 887 :怠け ◆AnCRuIzuDs :2006/07/26(水) 23:18:29.60 ID:4eH9wROA0 「付き合って、どうするんですか?」  一瞬どう答えるか迷ったものの、もう今更取り繕う事もさしてないだろうと感じて、 ストレートに言う事にする。 「一緒に遊んだり」 「死体とですか? 」 「だべったり」 「死体とですか? 」 「キスしたり」 「外見はエンバーミングでぱっと見人間に見えても、死体なんですよ? 」 「もしかしたらエッチとかしちゃったり」 「いやだから死体だっつてんじゃないですか。とんだド変態ですね先輩は」  なんだかボロクソだが、もうなんかどうでもいいか。最後の砦は死守してるし。 「……で? 飽きたらボクをホルマリン漬けや剥製にでもして飾りますか? 」 「するわけないだろうが馬鹿っ!! 」  俺の突然の激昂に、彼女はきょとんとした顔をちらつかせた後、 「いや、あの、なんでそこでキレるんですk」 「ネクロフィリアを画一化するんじゃなあい! 俺は生物より死体が好きだが、 本当の理想形は活動する死体――正しくリビングデッドなんだよ! ピュグマリオニズム的な静止物愛じゃなく、 死んでいるのに活きている者を捜し求めてたんだ! わかるか!? それに適う至高の存在をむざむざ殺すわけねぇだろ!! 」  と、言い切った所で、彼女が微笑んでいる事に気付いた。  彼女はつかつかとこちらに歩み寄る。その度に足の筋肉が悲鳴の軋みを上げるのが聞き取れた。  しかし歩を止める事無く、俺の眼前まで到達すると、 「失礼な事を言って、すいませんでした」  と小さく頭を下げて、俺の首に両手を絡めると――――頬にキスをした。  ふわりとシャンプーや香水、化粧品の香りに混ざって、ほんの僅かに死臭が鼻へ届く。  これだ。いつか廊下で彼女とすれ違った時に嗅いだ死臭。  この香りこそが、俺に『彼女は生ける屍である』と教えてくれたのだ。 「衛生面を考えて唇は辞めといたよ。ボクの彼氏を殺したくないから」 889 :怠け ◆AnCRuIzuDs :2006/07/26(水) 23:22:36.31 ID:4eH9wROA0  はにかんでみせる彼女に対し、事態の急転についていけずフリーズする俺。 「せんぱーい、大丈夫?」  目の前で手をひらひらと振られ、俺はようやくぎこちないながらも、我を取り戻した。 「え、ちょ、おま、ぉkなのかよ」  なんとか絞り出した声は、またも裏返っていた。年下の前でこれとは、何とも情けない。  が、彼女はそんな俺に、嘲りの無い笑いで応えた。 「何度も言わせないでよ。ボクだって 『聞こえないなぁもう一回言って?』『は、恥ずかしいよ……』  な展開に多少憧れてなくもないけど、いきなり甘々なのは抵抗有るんだから」  先ほどとは『中の人』が変ってしまったかの様に、ノリを変えた彼女。  可愛い。  いや、そんな事よりアレだ。俺は目的を達成したんだ。  ミッションコンプリートッ。よくやった俺。褒めて遣わすぞ俺。ありがとう俺。  どういたしまして俺。俺万歳。俺に栄光あれ。  ――――と、忘れていた。 「何でぉkなんだ?」  ムードぶち壊しな質問だが、後々になって聞くのも憚られるので、訊いておく事にする。 「おkじゃない方が……良かった?」  しょんぼりと俯く彼女に、俺は慌てて言い繕う。 「あ、いやそうじゃなくてさ!なんかスゲェ嫌そうだったから……ってやっぱ言わなくて良い」  途中まで言った所で、最初の態度がやけに刺々しかった理由を察してしまった。 『友達や親までボクを気味悪そうな目で見るのに』  ああ、そういう事か。  あれは人と関わらずに学校生活を送るための、 彼女なりの自己防衛だったのか。 890 :怠け ◆AnCRuIzuDs :2006/07/26(水) 23:26:34.33 ID:4eH9wROA0  俺が納得とばつの悪い思いを一人でしていると、 「先輩の理屈は意味不の極みだったけど、 とりあえず悪意が無いのと本気な事は伝わったから」  えぇ、何その  『面接でボロ出しまくったのに受かった理由を後日訊いたらそんな風に言われました』  的な答。  いいのかこれで。 「そういうわけで、よろしく、先輩。……ボクの事、解体したりしないでね?」  彼女は唇を柔らかく上げて言うと、右半身をこちらに向ける様に振り返り、  右手を差し出してきた。 「だからしないっつうの。いずれ俺の性癖についてたっぷり講義してやる」  俺は左手でそれを握り、隣に立つ。  要するに手を繋いだ格好だ。 「どっかで遊んでくか?」 「死体連れて?」 「死体でも彼女は彼女だからな」 「……やっぱり、変な人だ」  と小さく言って顔をそむけながらも、彼女の、手を握る力が僅かに強まったのを感じた。  伝わったのは、肌の冷たさと、弾力の無さ。  だが、それがいい。 「何処行くよ?マックで軽く食べてくか」 「人肉しか受付けないんだってば。先輩こそ、 ゾンビを単なるカニバリズムやヴァンパイアフィリアとごっちゃにしてない?」 「そっか、じゃあたっぷりお前で勉強させてもらおう」 「なんか言い方がエロい」 「当たり前だ、俺は変態だからな!」 「…………ばか」 892 :怠け ◆AnCRuIzuDs :2006/07/26(水) 23:28:02.60 ID:4eH9wROA0 おまけ  ――――俺が、ネクロフィリアより秘密にしたかった事。 「ボクっ娘好きなんでしょ、先輩」 「な、なんでわかった!!1111」 「ボクがボクをボクっていうと、なんか息が荒くなってたから」 くそっ、これだけは、隠し通したかったのに。  ……あああああああああああああ恥ずかしいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!! 「よし吊るわ」 「明らかにカミングアウトの順番おかし……って、ちょっ、先輩、駄目―――――――――っ 
901 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/27(木) 00:24:59.51 ID:tO1RgPsa0 兄「なぁ」 妹「ん?なに"?」 兄「・・・」 妹「・・・」 兄「・・・」 妹「・・・」 兄「ブッ!!!」 妹「・・・」 兄「・・・」 兄「てな夢を見た」 妹「夢かよ!」
905 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/27(木) 00:43:53.60 ID:sQsi0230O 「コレガ…レクイエム。ダ!オマエハドコエモムカウコトハナイ…トクニ『死』にタドリツクコトハケッシテナイ!」 「も゛う死んでる゛んですけど」 「…」 「…」
919 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/27(木) 01:44:08.77 ID:X+R4ee81O >>917 くらえっ!レンカンジュウライバクサホウ!! どかーん!!! どばどばどばどばどばどはどばどばどばどばどばどは 「ハラショー!!」
921 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/27(木) 01:45:59.88 ID:3ydtL26fO 「ねぇ、がっちゃん。私が死んだら─────」 「私が死んだら、どうする?」 決まってるだろ。ネクロマンスだろうが剥製だろうが、ありとあらゆる手段でお前を甦らせる。 「それはひどいなぁw私もう、一度死んでるのに」 いや、きっと。この場にいる全員。俺と同じことをすると思うぜ? 「そっか……うん。つまり、愛されてるんだよね?」 おう。お前の目も、脳も、腑も。全部。
964 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/27(木) 08:48:41.65 ID:Xn+kyQMG0 スレ埋めついでに小文投下 「ねーねー、お兄ちゃん。一発芸考えたの」 「一発芸?」 「うん。これ持ってて」 「おま・・・目玉外してどうすんだよ」 「いいからいいから」 「へあああああ、目が・・・・目がァー!!」 「ちょwwwwwバルスwwwwww」 1001 :1001:Over 1000 Thread  *     +    巛 ヽ             〒 !   +    。     +    。     *     。       +    。  |  |    *     +   / /   イヤッッホォォォオオォオウ!        ∧_∧ / /       (´∀` / / +    。     +    。   *     。       ,-     f       / ュヘ    | *     +    。     +   。 +        このスレッドは1000を超えました。      〈_} )   |                                次スレも…VIPクオリティ!!         /    ! +    。     +    +     *         http://ex15.2ch.net/news4vip/        ./  ,ヘ  |  ガタン ||| j  / |  | ||| ――――――――――――